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「ルフィ」連続強盗団の“賢すぎる”手口、ほかスクープ14本

連続強盗事件「ルフィ」の“賢い”やり口

 今週の第1位は、全国で相次いで起きた強盗・窃盗事件の主犯が、フィリピンの収容所にいて、そこから指示を出しているとスクープした文春の記事。

 時間的に見て、文春がこの記事を掲載すると知って、新聞が慌てて書き出したのだと思う。朝日新聞Digitalが1月25日 19時16分。文春の発売は26日である。

 この事件、有名になったのは、12月5日に、私の住んでいる中野区で、強盗に襲われ3000万円を盗まれたということだった。

 この貧しい人たちの多い中野区(私だけか?)で、家に3000万円も置いているところがあるというのに、正直驚いた。

 その後、各地で起きた強盗事件、狛江市ではついに殺人まで起き、この連中の荒っぽさに、「何でだろう」という思いを抱いていた。

 普通、空き巣や強盗の類は、殺しまではやらないと思っていたが、こいつらは家人をハンマーで叩いたりして半死半生の目にもあわせている。

 外国人の犯行かと思ったが、被害者から、そうした話は聞こえてこなかった。

 文春によれば、文春の「文春リークス」に電話があったのは1月16日の昼前だったという。

「三、四日後に、東京で叩きが起きますよ」

 そうXはいったそうだ。

 同日夕刻、Xから、「叩きの場所は調布の方に決まったらしい」という電話。

 3日後の1月19日、調布警察署管内の狛江市で、強盗殺人事件が起きたのである。

 その後、Xから着信、

「そら、実際に起きたでしょう」

 1月21日に逮捕された石川県金沢市の元建設作業員・永田陸人(21)は中野にも狛江にも関与していたと見られている。

 驚くのは、強盗集団が「寄せ集め」だったことだ。犯行現場で、犯人が携帯電話で指示を受けていたのだ。

 したがって、お互い顔も名前も知らない。犯行現場から逃げれば、分け前をもらって知らん顔。SNSの時代を象徴する事件である。

 驚くべき犯行を思いついたのは誰で、どこにいるのか。

 文春はXに接触する。

「オレは全国で多発している叩きの“黒幕”から、相談を持ち掛けられていたんですよ。犯行を指示していたのは日本人の男です」

 狛江事件の4日前、Xが指示役の主犯Aからこんなメールを受け取ったという。

「今週“叩き”があるんだけど、ドライバーを東京に寄越してほしい」

 事件後に乗り替えるドライバーを探していて、報酬は50万円だそうだ。

 SNSで見も知らない人間を集めて犯行を行わせ、分け前をとって、あとは散り散り。また、犯行先が決まれば、SNSで募るから、自分は安全圏にいる。

 どうしてこんなことができるのか? それはAがいる場所にあったというのだ。

 フィリピンのルソン島、入国管理局が管轄する「ビクタン収容所」にいるというのである。

「不法滞在者や刑事事件を起こした外国人が収容されている場所。職員に金を払えば、スマホも持てるし、冷房の効いた個室も与えられる。当然、そこから日本に叩きの指示もできるわけです。フィリピンではまだプリペイド式SIMカードのスマホが使える。だから足もつかない」

 とXは語ったそうだ。

 頭いい! 不謹慎だが、これを読みながら感心した。

 Aは、特殊詐欺、オレオレ詐欺をやっていたそうで、その頃の「データ」があったそうだ。

 入りやすくて、しかも自宅にお金を持っている人間たちのリスト。それをもとに目星をつけ、指示していたというのである。

 SNSで寄ってきたやつらには、運転免許証などの身分証明書と、自撮りの画像などの個人情報を送信させる。

 そいつらが裏切るようなら、警察にチクるぞと脅す。1回こっきりでやめてもいい。

 Aのテカがカネを集め、送金するのだろう。

 Aはルフィと名乗っているという。彼のほかにも何人かいるらしいが、日本の警察庁の求めに応じて、フィリピン当局はAらの身柄を日本へ渡すことを決断するようだ。

 Aの誤算は、フィリピン当局を見くびったことであろう。

「各地で相次いでいる強盗事件に絡み、フィリピンのレムリア司法相が30日、首都マニラの司法省で会見した。入国管理局の施設に収容されている日本人から携帯電話が没収されたと述べた。今後、使用履歴などを調べる意向を示した。

 この強盗事件では、この施設に収容されている男らが複数の事件で『ルフィ』を名乗って指示を出していた疑いが浮上している。レムリア氏は『日本の捜査当局が身元を確認する見通しだ。我々は日本政府に全面的に協力するつもりだ』と述べた」(朝日新聞DIGITAL1月30日 15時56分)

 こうしたITを駆使した犯罪はこれからますます増えていくだろう。それに追いつかないのは警察もメディアも同じである。

 つくづく頭のいい奴がいるものだ。(文中一部敬称略)

【巻末付録】

 まずポストから。

「秋田美人とは、相場詩織のことである 秋田で活躍する大人気アナが初グラビアで全国進出!」。本当にいい子だね。30を超えているとは思えない。

「大河ドラマでは流せない秘史 徳川幕府のSEX」

 袋とじ「衝撃全裸カット公開 フミカ 楽園の女神」「圧倒的肉体。」「なをん。ほろ酸っぱ。田中レモン」「花咲れあ たまらん」

 今週のポストはかわいい子ばっかりよく集めたな。

 お次は現代。

「女子ゴルフ 強く美しき星たちの2023」「小日向ゆか 黒うさぎの天使」「SEXYバニー共艶スペシャル 豊田ルナ 小悪魔な白うさぎ」

 今週は文句なし。ポストの完勝だ!
 

 

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2023/02/28 10:54
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