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『100よか』魚住が「なおゆい強火担」爆発か…最終回はシリアスと無縁のボーナス回に?

『100よか』魚住が「なおゆい強火担」爆発か…最終回はシリアスと無縁のボーナス回に?の画像
ドラマ公式サイトより

 井上真央主演のTBS系金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』が、今夜3月17日の22時に最終回を迎える。

 主人公の相馬悠依(井上真央)が、ある日突然、運命の相手だと思っていた恋人の鳥野直木(佐藤健)を失うも、直木は悠依への心残りから幽霊となって現世をさまよい、幽霊を見ることも会話することもできる刑事・魚住譲(松山ケンイチ)との出会いによって3人の不思議な関係が築かれてきた本作。3月10日放送の第9話では、ついに直木の死の真相と、直木が巻き込まれた事件の全貌がすべて明らかになった。

 悠依と直木は10代の頃、それぞれ家庭の事情により、広田勝(春風亭昇太)が里親となって広田家で共に育った時期があった。同じく広田家に尾崎莉桜(安斉星来)が預けられるが、莉桜はある日、突然失踪する。莉桜は、少女たちに「ちーちゃん」と呼ばれる女性・武藤千代(神野三鈴)のもとで、体を売る「仕事」をさせられていたが、千代はある顧客と揉めてしまい、「仕事」を辞めることに。そこで口封じに少女たちに500万円を渡したのだが、千代を怖がっていた莉桜は、500万円を広田家に残したまま行方をくらまし、過去と決別して新しい人生を歩もうとしたのだった。

 それからおよそ19年後。直木は、広田勝の家で会った池澤英介(荒川良々)に声をかけられ、池澤がオーナーに、直木がシェフという形で共に洋食屋ハチドリを切り盛りしていた。そんな時、勝から莉桜が家に残していった私物と500万円について打ち明けられる。自分に代わって莉桜を探し出し、渡してほしいと頼まれた直木は、莉桜の同級生・高原涼香(近藤千尋)を見つけ出し、莉桜と連絡を取ることに成功。1月13日にカフェで会う約束をする。

 その前日の12日、莉桜(香里奈)は、かつての「仕事」仲間だった涼香が千代から金をもらっていることを知る。千代が久々に「仕事」を再開させたことを知り、揺すったのだ。千代は危険だから手を引くよう莉桜は説得するが、翌日、涼香は変わり果てた姿で発見されてしまう。千代の命令で、息子の田中希也(永島敬三)が涼香を殺したのだった。「こうなりたくなかったら黙ってなさい」というメッセージが届き、莉桜は千代の影に怯える。

 そして13日。ハチドリで開いていた子ども食堂の準備中、直木はうっかり英介に、莉桜と会う予定があることを話してしまう。実は英介は、かつて千代の「仕事」を手伝っており、莉桜や涼香ら少女たちの送迎役や、トラブルの後始末などをやらされていた。直木に過去を知られたくない英介は、睡眠薬を盛って直木を眠らせ、その隙に莉桜と接触を図ろうとする。500万円の出どころについて直木に話さないよう頼むつもりだった。だが、カフェには莉桜の姿はなかった。待ち合わせの時刻を過ぎても直木が姿を見せないため、莉桜はハチドリに向かっていたのだ。莉桜は、英介と共に働いている直木のことを最初は疑っていたが、直木が眠らされたと察し、直木に千代とのつながりはないと確信する。そして莉桜は過去についてすべて直木に打ち明けたうえで、涼香が千代によって殺されたことを伝え、英介は危険だから離れるよう警告した。

 しかし、直木は自分が見てきた英介の人となりを信じていた。直木から連絡を受けた英介は、直木が過去について知ったと察し、広田夫妻が亡くなって無人になっている広田家で話そうと誘う。英介は直木に、過去を認めたうえで、勝との出会いによって己の過ちに気づき、子どもたちのために活動するなど真っ当な道を歩み始めたことを打ち明ける。千代が「仕事」を再開させたことも知らなかったという英介は、自分の過去について「僕の罪は時効」と言い切り、いま千代のもとで「仕事」をさせられている少女たちのことは気の毒だが、「直木は知らなかったことにしてくれよ」「今の僕のままでいさせてよ」と、直木に目をつぶるよう懇願する。だが直木は、現在進行系で「仕事をさせられている子」がいることを知ってしまった以上、行動を起こすべきだと英介を説得。英介は了承したフリをして直木を油断させ、直木を刺してしまう。そして「ごめんな……いい人間になりたかった……」と泣きながら、口封じのために殺してしまったのだった。

直木は消えたかと思いきや…

 直木と同じように広田家に呼び出された悠依は、この真相を英介の口から聞かされる。悲しみと怒りが止まらない悠依は、鋭利なドライバーを握り、ただならぬ様子の英介に向かって、思わずなんで殺したのかと責めてしまう。英介は悠依に襲いかかろうとするが、悠依の機転によって刑事の魚住がすでに駆けつけていた。魚住の登場に、英介は悠依を人質に逃走をはかろうとする。雷鳴が響く外で、魚住と対峙する英介だったが、広田勝の“幽霊”を目にして動揺。その隙をついて悠依は逃げようとする。混乱した英介が悠依に手をかけようとした瞬間、幽霊の直木が英介の前に立ちはだかり、直木が起こした“静電気パワー”が英介が振り上げたドライバーに伝わり、謎の共鳴現象が起こって、雷が英介のドライバーに落ちる。間一髪、直木は自分の力で悠依を守ることができた。

 無事に英介は逮捕されたが、悠依を守ることができた直木は安心して「思い残し」が解消されたのか、幽霊としての姿をなくそうとしていた。それに気づいた魚住は、悠依を直木の前に連れて行く。直木は悠依への言葉を魚住に伝えてもらおうとするが、魚住は自分の体に乗り移って直接悠依と話をしろと怒る。“乗り移り”は魚住の命も危ぶまれる行為だけに直木は断ろうとするが、魚住の覚悟を見て、直木も腹をくくる。だが、いざ乗り移ってみたものの、うまく言葉が見つからない。悠依も何を話したらいいのか戸惑う。そして、きちんとした別れの言葉をお互いに告げられないまま、直木は消えてしまった。

 英介が捕まったことで千代が行ってきた悪事は暴かれ、千代は未成年者略取および売春防止法違反で逮捕された。千代の命を受けた英介によって希也と共に殺されそうになり、重体となった莉桜も目を覚まし、病院で悠依と再会する。莉桜は、希也を昔から知っていたこと、希也は涼香と仲が良かったことを思い返しながら、2人とも千代によって殺され、巻き込まれた直木までも死んでしまったのに、なぜ自分だけが生きているのかとつぶやく。それは悠依にも心当たりのある罪悪感だった。莉桜が人知れず自分を守ってくれていなければ、自分も「仕事」をしていたかもしれない。自分だけが安全圏にいたという罪悪感に苛まれた悠依に、第8話で直木は「無事でいることに何の罪があるんだよ?」と伝えた。そして今度は、悠依がその言葉を莉桜に伝え、「莉桜ちゃんが生きてくれて、また話ができて嬉しい」と微笑みかける。「ずっと言いたかった。守ってくれてありがとう」と、千代の「仕事」に巻きこまないよう自分を遠ざけてくれた莉桜の優しさに悠依が感謝を伝えると、莉桜は涙するのだった。

 魚住は、悠依のその後を気にかけていた。喫茶店に悠依を呼び出した魚住は、直木との別れについて聞く。悠依は魚住が無事だったことを安堵しながら、最後にきちんとしたお別れは言えなかったことを明かす。なぜだろうと魚住は不思議がるが、悠依は「もちろん、面と向かって、ちゃんと伝えたいこと伝えてお別れできたら素敵だけど。でも……ちゃんとしたお別れなんて、ないのかも。たぶん……みんなこんな感じで生きてく」と、大切な人を亡くしたあとの寂しさを受け入れつつあった。

 最終回のように何もかもが「終わり」へと向かいつつあった第9話。だが、最後に驚きの展開があった。直木が住んでいた部屋で暮らしていた悠依がある朝、「全部、夢だったらいいのに」と思いながら目を覚ますと、なぜかキッチンのほうから物音が聞こえてくる。そこには生前と変わらない姿で料理をしている直木がいた。「腹減ってる? 最近あんまり食ってなかっただろ」と普通に話しかけてくる直木に、悠依は思わず「これは夢?」とつぶやくが、直木は悠依の前までやってきて「夢じゃない」と返す。おそるおそる体に触れ、存在を確かめるように腕を強く握ると、直木はちゃんと存在していることを伝えるかのように「痛いよ」と訴えるのだった――。

 最終回直前のまさかの展開に、SNSは騒然。「来週までこれで生きていけます」「直木、真っ白の受付で『やり直せますよ』ってバカリズムに言われた?」など、最終回が楽しみでならないといったコメントや、先日最終回を迎えたばかりの『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)の設定を引用したツッコミで溢れかえった。

 第10話の予告動画を見ると、事件がすべて解決したので当然といえば当然だが、これまでの不穏な空気はすっかり消え、さながら幸せのボーナスタイムのようだ。実体を得た直木と悠依の仲睦まじい様子に、仮にも悠依が好きなはずの魚住が発する「あぁぁぁずっと見てたぁい」という声が重なる。この予告に対する「悠依担だけど、なおゆい(直木と悠依)の箱推しみたいな魚住くん」「魚住さんがひたすらかわいい最終回だってことは分かる」という視聴者のコメントからは、魚住の愛されキャラっぷりが見て取れる。悠依と直木の本当の最後がどのような形になるかはもちろん気になるが、最終回では松山ケンイチ演じる魚住が幸せになる展開も望んでいる視聴者も多そうだ。

■番組情報
金曜ドラマ『100万回 言えばよかった
TBS系毎週金曜22時~
出演:井上真央、佐藤 健、シム・ウンギョン、板倉俊之、少路勇介、穂志もえか、近藤千尋、桜 一花、平岩 紙、春風亭昇太、荒川良々、松山ケンイチ ほか
脚本:安達奈緒子
音楽:河野伸
主題歌:マカロニえんぴつ「リンジュー・ラヴ」
警察監修:志保澤利一郎
里親監修:岩朝しのぶ
医療監修:冨田泰彦、藤田浩
プロデュース:磯山晶、杉田彩佳
演出:金子文紀、山室大輔、古林淳太郎
編成:中西真央、吉藤芽衣
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:tbs.co.jp/100ie_tbs

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/03/17 12:00
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