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市川猿之助はなぜ…地上波バラエティーと歌舞伎役者の今後

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市川猿之助さん(Getty Images)

 歌舞伎役者の市川猿之助が5月18日午前10時すぎ、東京目黒区の自宅で両親とともに倒れているのが発見された。母親はその場で死亡が確認され、父の段四郎は病院に搬送後、死亡した。

 猿之助は一時は入院していたものの、歩ける状態まで回復し、19日には退院。捜査関係者への取材では、猿之助は「死んで生まれ変わろうと家族で話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ」と話しているという。

 迎えに来たマネージャーに発見されたという3人。両親は別の部屋で倒れていたというが、猿之助は自宅の地下で意識が朦朧とした状態で倒れており、近くに遺書のようなものも見つかった。以後、週刊誌系メディアがさまざまな報道を繰り広げるなか、SNSやネットでは情報が錯綜し、真偽不明の憶測も飛び交っている。

 この騒動は、5月18日発売の「女性セブン」(小学館)で、猿之助による共演者や弟子、スタッフに対するハラスメント疑惑が報じられた直後のことだった。

「猿之助さんが搬送されたことと、ハラスメント報道との関連性は不明です。ただ、歌舞伎界における“ハラスメント体質”は、芸能界全体でも無視できない状況になってきているとは思います」(テレビ局関係者)

 猿之助のいとこである市川中車こと香川照之は2022年8月、酒に酔ってクラブホステスに対して性加害に及んでいたことが「週刊新潮」(新潮社)に報じられた。その後、香川はレギュラー番組を降板するなど活動休止を余儀なくされたが、2022年12月に市川中車として十三代目市川團十郎襲名披露公演に出演し、活動を再開している。

「地上波のドラマやバラエティでも人気があった有名どころの歌舞伎役者にハラスメント報道が続くと、歌舞伎界全体のハラスメント体質が問題視されてくる。そうなると、ほかの歌舞伎役者もまた“リスクがある”というイメージになりかねず、地上波メディアでは使いづらくなっていく可能性もあります。

 歌舞伎役者はその演技力はもちろん、ノリもよくて、博識で、バラエティ番組で重宝されることも多かったんですが、今後はその傾向にブレーキがかかるかもしれません」(同)

 ここ最近、地上波テレビを含めて、メディア露出を増やしているのが、尾上菊五郎の長女である俳優の寺島しのぶだ。この5月に、寺島の長男が尾上眞秀を名乗って正式に歌舞伎役者としてのキャリアをスタート。それにあわせて、母である寺島にもスポットが当たっている。

 5月17日放送の『隣のブラボー様 2時間SP』(テレビ朝日系)は、寺島と尾上眞秀の日常に密着する内容だった。

「男性しか役者になれない歌舞伎の世界に生まれた寺島さんは、かなり複雑な思いを抱えて過ごしてきたことを過去に告白しています。そんななかで、長男・眞秀さんの歌舞伎役者デビューは念願であり、絶対に歌舞伎役者として大成してほしいと願っている。だからこそ、普段はあまり出ないバラエティ番組にも出て、歌舞伎役者としての息子を盛り上げているのでしょう。

 でも、歌舞伎役者のハラスメント報道が相次ぐ中で、メディア側が歌舞伎役者を敬遠してしまうような流れができれば、寺島さんのアピールの場も奪われてしまう。寺島さん親子にとっても、いかんともしがたい状況ですね」(同)

 もし今後、歌舞伎役者全体が“ハラスメントのリスクあり”と判断され、メディア露出が激減するならば、公演の集客にも悪影響が出るだろう。歌舞伎という文化をしっかりと受け継いでいくには、ハラスメント体質を撲滅すべく、内側から意識改革していくことも必要なのかもしれない。

手山足実(ジャーナリスト)

出版業界歴20年超のベテランジャーナリスト。新聞、週刊誌、カルチャー誌、ギャンブル誌、ファンクラブ会報、企業パンフレット、オウンドメディア、広告など、あらゆる媒体に執筆。趣味はペットの動画を見ること、有名人の出没スポットパトロール。

最終更新:2023/05/21 08:00

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