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ジュリー社長が頼る「大手PR会社の女社長」はジャニーズの救世主となるか?

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ジャニーズ事務所社長の藤島ジュリー景子氏

 ジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川氏による未成年の所属タレントに対する性加害問題。藤島ジュリー景子社長が“謝罪”する動画と共に公式見解を示す文書を発表したのに続き、7月1日付で社外取締役を就任させるなどの3つの施策を発表したが、まだまだ騒動は収束しそうにない。

 中でも問題となっているのが、14日に発表した文書でジュリー社長が「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」と、叔父の性加害問題について「知らなかった」と強弁したことだ。

 この発言に対し、2021年の退所まで40年以上ジャニーズに在籍した近藤真彦は「ウソはダメだな」「知ってた、知らなかったではなく、知っているでしょ」と反応。さらに、5月25日発売の「週刊文春」(文藝春秋社)では「忍者」のメンバーだった志賀泰伸氏が顔出し・実名で性被害を告発したが、立ち上がった理由について「ジュリーさんが『知りませんでした』と言ったことに対して、ウソつけ!と思ったんです。知ってたでしょ?って」と説明する事態となっており、「聖域なきコンプライアンス順守の徹底」を掲げていた同事務所の社長であるジュリー氏の“コンプライアンス”の感覚に疑問の声が上がっている。

 また、ジャニーズJr.の番組で司会をするなど長年ジャニーズとの付き合いがあるヒロミは、28日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、一般的な企業や、闇営業問題に揺れたときの吉本興業の対応を例に出しながら、ジャニーズ事務所が企業としての説明責任を果たしているとは言い難いとする厳しいコメントをしたことも話題になった。

 民放テレビ局の情報番組スタッフは語る。

「これまでジャニーズ事務所の威光に忖度してきた中で、同事務所に関するネガティブなニュースは極力避ける傾向にあったテレビ局やスポーツ新聞ですが、今では連日にわたって性加害騒動を報道しています。これは、ジャニーズ事務所がずっと『各方面よりご指摘の件』など表現を濁してきたのが、14日の文書でようやく『故ジャニー喜多川による性加害問題について』と、はっきり問題を明言し、公式見解を示したことで報道しやすくなったという面もあります。いずれにせよ、ここまでテレビや新聞で報じるようになったからにはそう簡単には沈静化しない。このままいけば、夏の『24時間テレビ』はおろか、年末の『NHK紅白歌合戦』にも影響が出そうです」

 やはりと言うべきか、特に8月26日・27日に放送を控える日本テレビ系特番『24時間テレビ』がどうなるかが業界内で注目されている。事務所のイチ押し、なにわ男子がメインパーソナリティを務めることが決まっており、恒例のスペシャルドラマもなにわ男子のメンバーが主演するとささやかれているが……。

「5月22日の定例会見で日本テレビの石沢顕社長は、『事務所としてやるべきことをしっかり進めていくのか注視したい』や『性暴力に関しては、あってはならないという大前提をベースに放送していく』などと語る一方で、番組制作などへの影響については『想定できることはない』としましたからね。時間もないことですし、『24時間テレビ』については予定どおりのキャスティングや枠組みで放送するつもりなのでしょうが、これまで数多くのジャニーズタレントが出演し、“チャリティ番組”と銘打っているだけに視聴者からの風当たりも強そうです。特に今回は『子ども、環境、SDGsなど、未来に向けて考えるべき社会問題』をテーマにした番組づくりとなるだけに、被害者数でもギネス記録を打ち立てそうな未成年への性加害問題を起こした事務所のタレントに“子どもの未来”を語らせるのか。チャリティパーソナリティとしてサポートする立場になる芦田愛菜の負担が大きくなりそう」(同・情報番組スタッフ)

 社外取締役を務めることになる白井一幸氏は、自身のブログで「火中の栗を拾うのか?と周りからは言われましたが、私は迷いなくお受けすることを決めました。力を貸して欲しいと望まれて、やらない理由は見つかりませんでした。難しく批判の多い役割だからこそ、やり甲斐を感じました」「事実を認め、罪を償うことは必要です。そして本当の責任を取ることは、これからどうなるかの方が重要です。今後、応援してきた方々に、安心して応援できるジャニーズになること。そしてジャニーズのタレントが誇りを持って活動できる事務所になることが、何より大切なことです。私は社外取締役として、今後どうなっていくのかに焦点を合わせて、様々なチャレンジをしようと決意しています」と意気込みを見せている。

 一部報道では、長年“ジャニー・メリー体制”を支えてきた副社長のS氏の退任も伝えられており、社外取締役の手腕にも期待が寄せられているが、一方、業界内では大手PR会社の動きも注目を集めているという。

「主に企業や商品、イベントなどのPR、アスリートや文化人のエージェント活動などを手掛けているサニーサイドアップですね。芸能関連の事業にも力を注いでいるサニーサイドアップグループの代表取締役・次原悦子さんは、同い年で、かつ企業の女性トップ同士ということもあってジュリー社長とも昵懇の仲。サニーサイドアップグループはジャニーズと共同で2021年6月から、エンターテインメント業界従事者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの職場接種を行ったことでも知られます」(芸能記者)

 次原氏は、今回の騒動におけるメディア対策にも力を貸したとささやかれているが、水面下でジャニーズ事務所の再建やマスコミ対応などのサポートにも乗り出すとの噂も出ている。

「元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんはジュリー社長との面会の際、女性がもうひとり同席していたことを明かしていましたが、それが次原さん。ジュリー社長が次原さんを頼ったことで、事務所の“公式対応”が二転三転したともささやかれており、失策となった原因との見方もある。その意味では今後も迷走していきそうですが、S副社長が退任し、社外取締役が加わるなら今後の方針をめぐって統一感は出てきそうですし、今のジャニーズ事務所にとっては、よくも悪くも外部の人間の力を借りたほうが負の遺産を整理するには都合がいいでしょうね。井ノ原快彦などに社長の座を譲るとの見方もありますが、こうした“掃除”が一定の成果が出るまでは、ジュリー社長も退任することはないでしょう」(同)

 ジャニーズ事務所と同社の関係に今後、要注目である。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2023/05/31 08:00
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