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『VIVANT』乃木は最初から野崎を利用していた? 薫は敵か味方か――

『VIVANT』乃木は最初から野崎を利用していた? 薫は敵か味方か――の画像
ドラマ公式サイトより

 まさかの”ダークヒーロー”の登場劇に衝撃が走った――。8月6日に放送されたTBS系日曜劇場『VIVANT(ヴィヴァン)』の第4話は二重、三重のどんでん返しに驚かされる展開となった。

 主人公の乃木憂助(堺雅人)は丸菱商事に勤める商社マン。誤送金事件の調査のため向かった中央アジアの「バルカ共和国」で乃木は思わぬ騒動に巻き込まれ、テロリストと誤解されたところを警視庁公安部の捜査員・野崎守(阿部寛)に保護され、命からがら帰国する。丸菱では己の欲のために誤送金を仕掛けたと疑われている乃木は、野崎の支援を受けながら誤送金事件の真犯人を探ることに。警視庁サイバー対策班のホワイトハッカー・東条翔太(浜田岳)らの助力により、丸菱の送金システムが何者かによって改ざんされていることが判明。改ざんされた時期の防犯カメラの映像を確認すると、財務部の太田梨歩(飯沼愛)の姿があった。

 野崎は太田の緊急手配をするが、ひと足遅く、太田は証拠を隠滅して行方をくらましてしまった。しかし太田の自宅になぜか大量にあった落語のCDに目を付けた野崎。そのCDの中にはハッキングの記録が残されており、太田が、世界的にその存在が知られていた凄腕ハッカーのブルーウォーカーだったことが明らかに。だが、そこにはテロリストやバルカとの関わりの痕跡はなく、私利私欲で行動しないブルーウォーカーが日本のいち企業のシステム改ざんに協力するのも不自然。真犯人は別にいて、何か弱みを握られていたのではと野崎はにらむ。そして、その真犯人は国際テロ組織「テント」のモニター(協力者)である可能性が高く、すべてを知ってしまった太田がモニターに“消される”危険性も浮上した。

 警察の動きが真犯人に漏れていること、さらに2019年にバルカにいたことが判明したことから、乃木に協力していた同期の山本巧(迫田孝也)がモニターだと確信した野崎は、乃木を使って山本を罠にはめ、山本は太田の監禁場所に向かい始める。公安がその後を追って監禁場所を特定しようとするが、ここで計画が狂う。突然山本が姿を消したのだ。「俺もモニター」だという黒須(松阪桃李)によって山本は逃げのびることに。しかし、黒須の正体は、自衛隊の陰の諜報部隊「別班」だった。国外逃亡できると信じた山本は、浜松空港の格納庫で拘束されてしまう。そしてそこに、乃木が姿を現す。黒須に「先輩」と呼ばれた乃木もまた、別班だったのだ。自白剤を打たれた山本は、誤送金に関わったGFL社社長のアリ(山中崇)がテントの幹部で「日本担当」であること、「(テントの)リーダーの最後の標的は日本」であることを話すが、それ以上のことは知らないと言い張る。“命令”に従った乃木たちによって山本は橋の上から自殺に見せかけて”排除”され、第4話は幕を閉じた。

 視聴者が待ちに待った松阪桃李の登場から、乃木と黒須が別班であることが判明するシーンは、これまでの『VIVANT』においても屈指の見せ場となった。各キャストが演じる役柄がまったく明かされていなかったことや、これまで野崎と公安側の視点が多かったのは、この場面のためだったと言っても過言でないだろう。黒須が山本に味方のふりをして近づき、酒を飲ませて眠らせ、拘束して首に点滴のルートを取るシーンは、まるでスパイ映画だ。そしてそこに登場した乃木は、いままでの冴えない商社マンのイメージを脱ぎ捨て、まさにダークヒーローといった存在感を見せた。乃木が別人格のFに切り替わる瞬間、一瞬で完全に別人になる堺雅人の演技力には脱帽した。

 それにしてもやはり、乃木はただ者ではなかった。その能力値の高さ、1kgまでならほぼ10gの誤差で重さを量ることができるという特殊能力などから、「冴えない商社マン」はただの演技ではないかと初回から指摘していたが、その見立て通りだったようだ。ということは、乃木が誤送金事件の調査のために単独でバルカで動いていたときには、すでに公安が動いていることも察知していたと考えられる。野崎は乃木を怪しみ、宿泊しているホテルの盗聴をしていたが、そのホテルのシーンでは乃木とFが同時に壁を見る意味深な場面があったからだ。そしてザイール(Erkhembayar Ganbold)の自爆テロに巻き込まれそうになった際、あえて自ら行動を起こさずに別班の顔を隠していたのも、野崎が現場に潜んでいることに気づいていたからではないか。となると、乃木は初回から公安の野崎を利用し続けていたという構図になる。そんな野崎も、「冴えない商社マン」の乃木に協力しながら、常に疑いの目を向けていた。さすがに今度こそは乃木の正体に気づくだろう。今後、乃木と野崎の関係性がどうなっていくのか、気になるところだ。

 乃木は山本がモニターであることを突き止めるきっかけとなったのは、バルカで日本人医師の柚木薫(二階堂ふみ)が保護し、心臓の手術を受けるために来日していた少女・ジャミーン(Nandin-Erdene Khongorzul)が持っていた写真。そこにあった2019年の日付の写真に、戦闘服を着た山本が写っているのを見て、乃木は山本の正体に気づいた。だが、この写真からは他にも得られる情報がある。山本がテントのモニターであったということは、ジャミーンの父・アディエル(Tsaschikher Khatanzorig)もまたテントと何らかの関係があった可能性がある。目の前で母親を失ったショックのため話すことができなくなったというジャミーンの過去も、物語のカギとなりそうだ。となると、アディエルと親しかった薫も疑わしい。自らの身を危険にさらしてまでジャミーンを保護し、治療しようとしているのは、医師としての使命感以上の目的があるのではないだろうか。野崎がわざわざドラム(富栄ドラム)をバルカから呼び寄せ、ジャミーンに付き添わせているのも、野崎が薫の行動を怪しんでいるからかもしれない。薫がバルカ脱出直前、砂漠で一時的に姿を消したのも、何か意味があるのだろうか。

 毎回、長編スペクタクル映画を見ているようなスケール感の『VIVANT』。誤送金事件が解決し、ここからは別班とテントの戦いにフォーカスされていくのだろうか。次回は、アディエルの死について語っていた役所広司と二宮和也演じる謎の親子も姿を見せるようで、彼らとテントの関係性も気になるところだ。再びバルカが物語の舞台になる第5話は今夜21時から、15分拡大スペシャルでの放送だ。

■番組情報
日曜劇場『VIVANT
TBS系毎週日曜21時~
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、迫田孝也、飯沼愛、山中崇、河内大和、馬場徹、二宮和也、井上順、林遣都、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、橋本さとし、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李、役所広司 ほか
プロデューサー:飯田和孝、大形美佑葵、橋爪佳織
原作・演出:福澤克雄
演出:宮崎陽平、加藤亜季子
脚本:八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈
音楽:千住明
製作著作:TBS
公式サイト:tbs.co.jp/VIVANT_tbs

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/08/13 12:00
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