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『VIVANT』大ヒットに浮足立つTBS 最終回に向けてなりふり構わぬ番宣攻勢を展開へ

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ドラマ公式サイトより

 たっぷり金を掛けた分、しっかり元を取るのは当たり前ということか。出演者の豪華さと壮大なストーリーで今夏のドラマの話題を独占する『VIVANT』(TBS系)は残すところあと数回。最終回に向けてさらなる高視聴率を狙うべく、VIVANTラッシュが展開されそうだ。

 堺雅人、阿部寛、役所広司、二宮和也など主役を張れるキャストが贅沢に揃い、モンゴルで長期ロケを実施するなど、異例のスケールで展開されている『VIVANT』。制作費を掛けてもコケる作品はいくらでもあるが、このドラマは違った。第1話は11.4%(ビデオリサーチ調べ。関東。以下同)と、際立った高視聴率ではなかったが、徐々に数字は上がり、第5話以降は14%台にまで上昇。個人視聴率も9%台に乗り、無料配信総再生数も記録的なペースで伸びている。

「ドラマは通常、第1話から第2話で視聴率が1~2ポイントは落ちるもの。『VIVANT』の初回11%台という数字は事前の予想より2~3%低いものでしたが、回を追うごとに数字が上がっていくのはとても良い傾向で、すでに作品としては合格ラインです。近年のヒットドラマは最終回で数字が跳ね上がるのが特徴で、『半沢直樹』(TBS系)は最終回で32.7%をマークしており、『VIVANT』も最終回で20%台へのジャンプアップが期待されています」(テレビ情報誌記者)

 関係者の期待は膨らむが、そのためにはどんどんと作品を盛り上げていく必要がある。9月以降、TBSはなりふり構わず数字を取りに行くと見られている。

「『VIVANT』はストーリーが複雑で、途中から入るのはなかなか難しい。そこで大切になってくるのが番宣です。

これまでのファンを取り逃さず、なおかつ新規を開拓するには番宣は必須。堺雅人や阿部寛も駆り出されるでしょうが、今作は無名の俳優が重要な役柄を担っており、脇役が重責を担うことになりそうです。主要キャストにはスケジュールの問題がありますし、脇を固める俳優にしてみれば、顔と名前を売る絶好のチャンス。見る側も新鮮味があり、まさにWin-Win。

TBSは他局と比べ、番宣でねじ込める番組が多いのも好都合です。『ラヴィット』『ひるおび』『王様のブランチ』といった情報番組はもちろん、『バナナサンド』『櫻井・有吉THE夜会』『金曜のスマイルたちへ』『ジョブチューン』『サンデー・ジャポン』など、いくらでも候補の番組はある。ドラマ放送日の日曜も『バナナマンのせっかくグルメ』『ベスコン』『坂上&指原のつぶれない店』と、どれもゴリゴリの番宣が可能です。

“ドラム”役の富栄ドラムはその一番手で、すでにいくつもの番組に出ていますが、他にも“天才ハッカー”を演じる飯沼愛にも声は掛かりそう。彼女はTBSのオーディションで芸能界入りした経歴の持ち主で、局として大プッシュしていきたいので、こちらも出番がありそうです。TBSは第8話の放送日にもダイジェスト+出演者インタビューの特番を組んでおり、9月のTBSは“VIVANTだらけ”になりそうです」(キー局関係者)

 これを機に制作費をケチらない番組を作る風潮が生まれれば、まだまだテレビの復権の目はありそうだが、他局は追随できるか。

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2023/09/03 08:00
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