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日刊サイゾー トップ > 社会 > メディア  > ジャニーズ再出発を妨げるメディアの過ち

ジャニーズ問題を過熱させ、新体制の再出発を妨げるマスメディアの過ち

地上波テレビの週刊誌化

 私はあらゆる角度から、立場、状況を把握した上で、自ら考え、自らの言葉で発信してきた。すまぬが、世間の空気を気にしたり、ビジネス的なポジショントークをしたりする者たちとは異次元の人間なのだ。その私は、ジャニーズには思い入れがあるので応援し、弱者であるジャニーズを執拗に攻め立てる報道を批判する。もちろん、そんな私を批判する声もあるが、支持してくれる声のほうが大きいと感じている。

 その上で、井ノ原くんがファンクラブサイトで行った「弱っている場合ではないので きちんと戦わなければいけないなそう思っています」という発言を支持したい。多くを知っていた上で、なぜ井ノ原くんが副社長に就いたかも私なりに理解することができた。穿った見方ばかりする記者が得てきた情報を報道するメディアを通してではない。

 井ノ原くんの会見での発言。すでに彼は矢面に立ちながら、しっかりと戦っている。それは東山社長も同様だ。もう一度言おう。刷新された経営陣である彼らが何をしたのだ。彼らの人権はどこに言ったのだ。短期間に作り上げられた、ジャニーズ批判こそよしとする世論の下では、彼らに何を言っても許されると思っているのか。

 当事者でないにもかかわらず、何十年も前のことまで持ち出されて、追及される。それに真摯に対応すれば、マスメディアはさらに言いたい放題。特にこれまで散々ジャニーズに世話になってきたテレビ局が、一瞬にして手の平を返す姿勢を見せられては、今後、国民はそんなメディアに期待し、信用することなどできぬだろう。

 それに気がつかないの限り、マスメディアは今後も衰退の一途を辿るであろうし、そこに携わる記者たちが、同じ物書きとして、私と同じ土俵に乗り、こちらに脅威を与えることなどないだろう。

 はっきり言ってしまえば、そもそも土俵が違うのである。情報収集力も、自身の頭で考え本質的な意見を出す力も違う。ただ、私はそれを無闇矢鱈に使うのではなく、大切なものを守るときに使いたいだけだ。

 ジャニーズが、報道を否定するリリース複数出せば、「乱発させ過ぎだ」と騒ぎ、仮に出さなければ、真実だから黙っているのだろうと解釈する。特に異常なのは、週刊誌やゴシップサイトが扱う領域のネタまで、地上波テレビがニュースとして報じてしまっていることだ。わざわざ社会問題に発展させて、ジャニーズを虫の息にさせようとしているのは、これまで散々同事務所に世話になってきた地上波テレビなのではないか。

 果たして、終着点としてどこを目指すのか。今でも「Johnny&Associates」の看板が撤去されたジャニーズ事務所本社には、ファンが写真を撮りにきている。そうした熱狂的ファンを誰が作り、育てたのだ。地上波テレビのその役割を大きく担ってきたはずだ。少なくとも私の世代はそうであった。

 私はずっと地上波テレビを支持してきた。地上波テレビを観て育ってきたので、思い入れが強かった。さまざま映像の仕事に携わるようになり、その向こう側を知るようになっても、地上波テレビには特別な感情があった。自分のドラマが地上波で流れたときは、何事にも代えがたい喜びがあった。

 だからこそ思う。いまいちどジャニーズ報道の在り方について、見直すべきではないのかと。他の芸能事務所もタレントもみんな、地上波テレビのスタンスを見ている。視聴者あってのテレビであり、視聴者のためのテレビを支えるのがスポンサーだろう。それらは、今どこを向いてるのか。必ず世論は一周する。熱冷めやれば、何事もなかったとはいかないのはわからないのか。

 これでも私は、言いたいことをすべては言っていない。ただ、事実関係すらわからない段階での必要以上の死者への冒涜もまた、罪作りであることだけははっきりと述べておきたい。

(文=沖田臥竜/作家)

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)、『ブラザーズ』(角川春樹事務所)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

最終更新:2023/10/15 11:39
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