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ジャニーズ問題を過熱させ、新体制の再出発を妨げるマスメディアの過ち

「Johnny&Associates」の看板が外されたジャニーズ本社

過熱するジャニーズバッシングに違和感を抱く人々が増え続けている。もちろん、罪と向き合い、償うことは絶対に避けられない。しかしまだ、ことは始まったばかりだ。十分でないこともあるだろ。そんな中で、過去を省み、出直そうとしている人々の足元をすくおうとすることにどれだけの意味があるのか? ――そう思わざるをえない昨今のマスメディアの暴走ぶりに異を唱え続ける作家・沖田臥竜氏による最新寄稿。この異常な空気はいつまで続くのか?

悪意を持った解釈によって生まれた言葉

 どんな物事に対しても悪意をもって解釈すれば、その人にとってそれは悪事になる。つまり言おうと思えば、どんなことにだって文句を言うことができる。

 すごいという感覚もまたしかりで、「すごい!すごい!」と言っている人たちの輪の中に、その対象を放り込んでやれば、傍からそれを見る第三者にもすごいと思えてしまうものである。

 だが、人の心を感動させることだけは、そうたやすいものではない。私は25歳のとき、小説家になって、人々を感動させ、涙させてみたいと思ってペンを握った。私が底辺から、自らの人生を名誉挽回するすべはそれしか残されていないと思っていた。だが、その道を進むことは果てしなく困難であった。 

 私に物書きとしての師はいない。すべて独学でやってきた。デビューまでの10数年、書いた小説をその道の先達に読んでもらえることもなく、油断をすると「こんなことをしていても無駄ではないか……」という思いが湧き上がり、筆を折ろうとしたことは何十回ではききやしない。

 挫けそうなとき、いつも思い描いた空想があった。それはいつか自分の小説が映像化され、誰かがどこかでそれを観て涙するという光景だ。それだけが私の支えだった。成功が保証された未来などなく、常に不安だけが渦巻いていた。だがどのような環境に置かれても、筆を折りはしなかった。結果、今の活動に繋がっているのであるが、それを大勢に理不尽にもよってたかって否定され、積み上げてきたものを一瞬で叩き潰されたら、例え誰が相手でも私は戦って見せるだろう。

 現在のジャニーズ問題の根底にあるのは、そんな理不尽な扱いではないだろうか。ジャニー喜多川氏が犯した罪とは切り離されるべき物事まで、「ジャニーズ」と名のつくものは片っ端から否定しようとする空気。その中で飛び合う、悪意を持った解釈によって生まれた言葉。すまぬが、もうそんな言葉は聞き飽きた。私に聞かせるな。

 なぜならば、もはや弱者となったジャニーズを、大はしゃぎしながらバッシングしている人間に私の言葉が通じないように、どれだけ正義を掲げて押しつけてきても、問題の本質からずれたジャニーズ叩きを私は理解することができないからだ。根本的に考え方が違うのだ。そんな中で、ましてや第三者同士が混じり合うことなど不可能だろう。ただ私の場合、少し他と異なるのは、ジャニーズ問題がここまで行き着いた経緯を事細かく知っている点である。

 今回のジャニーズ問題がどのように提起され、今話題の望月衣塑子記者がどのような経緯でこの問題に参戦しようとしたのか。誰に相談を持ちかけ、どこで被害者の口から望月記者の名前が出てきたのか。そしてNGリスト問題が炎上に至るまでの状況も把握している。これまでの週刊文春やFRIDAYの動向も、NHKの報道の経緯もだ。多分、私が一番的確に知っているだろう。

 申し訳ないが、私が生み出し、小説(サイゾー文芸)、ドラマ(地上波放送・カンテレ、Netflixでは世界配信中)、そしてマンガ(今冬より小学館)にもなった『インフォーマ』、つまり、真の情報屋とはそういうものなのだ。

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