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『M-1グランプリ』審査員席に激震!? 立川志らくの審査がもたらしたものとは【再掲】

 

 11日、『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の審査員を、立川志らくが降板することが発表された。志らくのコメントは以下の通り。

5年もの長い間、若い才能の塊の芸に触れる事が出来て感謝しております。当初は漫才師でもない奴が何故審査をするんだと非難もされましたが、私としては漫才師No.1を決めると同時に明日のお笑いのスターを決める大会でもあると思っていたので落語家がいてもいいのではとそういう思いでやってきました。 あとランジャタイをはじめとするヨネダ2000、トム・ブラウンのようなぶっ飛んだ漫才を高評価する審査員として一部ファンに支持されてきました。私が審査員から卒業することで中には志らく枠が消えてぶっ飛んだ漫才が不利になるという意見も耳にしました。でも多くの人が見ています。 ダウンタウンも当初は際物扱い。それが今やトップスター。ダウンタウンのようにマニアックが天下を取ればカリスマになれる!そしてもうひとつ。魅力ある漫才師を目指して。どんなにテクニックがあっても魅力には太刀打ち出来ないんだから。勿論正統派も頑張って!みんな頑張って!

 ここでは、志らくの審査員降板に寄せて、今月掲載した記事を再掲する。

 *  *  *

 4日に『M-1グランプリ』の公式YouTubeチャンネルが公開したプロモーション映像が物議を醸している。その動画が、立川志らくの審査員降板を示唆しているのではないか、と話題になっているのだ。

 きっかり30秒の動画は、ドラムのソロ演奏をバックにこれまでの『M-1』のダイジェスト映像が矢継ぎ早に編集されたもの。全編モノクロで、クライマックスには「爆笑が、爆発する。」とテロップが表示される。さらに、各審査員の顔が映し出され、昨年、王者となったウエストランドのネタ中の音声「佐久間さぁ~ん!」が流れるというもの。

 この審査員の映像で、立川志らくのみが映し出されなかったこと、さらに「佐久間さぁ~ん!」の音声から、今年は立川志らくに代わってテレビプロデューサー・佐久間宣行氏が審査員に加わるのではないかとささやかれているのだ。

 確かに佐久間氏は2021年に所属していたテレビ東京を退社し、現在はフリーという立場。さらに「UNDER 25 OWARAI CHAMPIONSHIP」や「ワタナベNo.1決定戦」といった賞レースでは審査員を務めていることから、リアリティのない話ではない。

 志らく降板、佐久間氏登用はあくまで現在では絵空事だが、立川志らくという審査員がこれまで、『M-1』の結果に与えた影響は決して少なくない。今回は、それについて考えてみたい。

 志らくが初めて『M-1』の審査員に加わったのは、18年。この年の優勝は霜降り明星だったが、志らくの評価は1年目から独特なものだった。

 最高得点は「ゼンチン」ネタのジャルジャルで99点。その際のコメントもまた、志らくらしさが全開だった。

「ひとつも笑えなかったんですよ。だけど、ものすごい面白かった。これがプロの芸人を笑わせる芸なのかな、と感心して。プロがゲラゲラ笑うようなのは、ホントは面白くないんです。だけど、(ジャルジャルは)頭の中はめちゃくちゃ面白かったんですよ」

 また、この年には7人の審査員中3人が80点台を付けたトム・ブラウンにも97点という高得点を与えている。

 さらに、21年には最下位だったランジャタイに、この大会での自身最高得点である96点を献上。

「私だけ変な感じがするんですけど、最初見たときは、ふざけんなと、何をやってんだと。でも聞いてるうちに、漫才ってふざけるもんだよな、これだけブッ飛んでて、途中で思考がおかしくなって、100点か0点かどっちかわかんないくらいになって、わたしはツボにはまってしまったんで、高得点です」

 志らくはその後もSNS上などでランジャタイを絶賛。自らの独演会にゲスト出演させるなど、強力にバックアップしている。

 翌22年もヨネダ2000に97点の高得点。こうしてみると、志らくの審査基準には一貫したものが見えてくる。昨年12月、『ナイツ ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)で、志らくが明かしている。

 古典落語の世界にいる志らくは、オチを古典から変えるだけで怒られるような状況の中、立川志の輔と2人で「時代を作った」と自負しているのだという。現在では当時の志らくや志の輔のように、古典をアレンジして披露するのが王道になっている。

「だから、漫才を思いっきり違う視点で変えてやるんだ! っていうのを見るとね、若い頃の自分を見ているみたいだなってね。『あんなの、漫才じゃないよ』って言われているのを『いや、これが漫才になったっていいんだ!』って応援したくなるんですよね、すごく」

 時に志らくの審査には、大きな批判が集まったこともあった。すでに国民的な行事となった『M-1』において、審査員にかかる負担は年々大きなものになっていく。今年の審査員席には、誰が座ることになるのだろうか。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2023/12/11 19:29
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