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映画監督・榊英雄容疑者が性加害で逮捕…「ステルス復帰」画策も業界から追放か

写真/Getty Imagesより

 映画監督の榊英雄容疑者が20日、演技指導を装って女性に性的暴行をしたとして、準強姦の疑いで警視庁に逮捕された。榊容疑者は2022年に過去の「性加害」を報じられて事実上の活動休止となっていた。改名して昨年1月にワークショップを開くなど“再始動”に乗り出していたが、映画界への復帰は絶望的な状況になりそうだ。

 逮捕容疑は、2016年5月に演技のワークショップで知り合った役者志望の20代の女性に対し、「もう少し演技について話そう」などと誘ったマンションの一室で「入れ墨があったら大変だから裸を確認したい」などと監督の立場を利用して迫り、わいせつな行為をした疑い。榊容疑者は「冤罪です」「徹底的に戦います」と容疑を否認しているというが、警視庁によると、他にも複数の役者志望の女性からの同様の被害届を受理しているという。

 榊容疑者の代表作としては、高橋克典が主演した『誘拐ラプソディー』や大森南朋の主演でジョージ秋山氏の傑作コミックを実写化した『捨てがたき人々』などがあり、映画界で一定の地位を築いていた。

 しかし、2022年に「週刊文春」(文藝春秋)が、ワークショップに参加していた複数の女優らが「性的行為を強要された」「映画へのキャスティングをチラつかせ、肉体関係を迫られた」などと訴えていると報道したことで立場が一変。榊容疑者は「事実であることと、事実ではない事が含まれて書かれている」などとしつつ、「過去のことをなかった事には出来ません。それをしっかり肝に銘じ、これからの先へ猛省し悔い改めることを誓い、人を、日々を大事に生きていきたいと思っております」と謝罪した。

 その影響は榊容疑者の監督作にも及び、家庭内の性被害を描いた『蜜月』と安田顕&山田裕貴のダブル主演作『ハザードランプ』が公開中止に。さらに、俳優で文筆家の睡蓮みどりが実名で被害を告発するなど騒動は拡大した。妻でシンガー・ソングライターの和(旧芸名・橘いずみ)は子どもの親権を持って離婚し、榊容疑者は家族も仕事も失った。

 以降は事実上の活動休止状態となり、一部では「フードデリバリーのアルバイトをしていた」「ラーメン店で働いている」といった報道があったが、昨年1月にひっそりとワークショップを再開。参加者募集のメールには「今年は自主映画時代に戻って、原点回帰で、作品を夏イン目標で準備することにしました。予算は小さいですが、志は高く作品創りをします」といった本人のコメントが記載され、またもキャスティングを匂わせた内容になっていたと報じられた。

 当時の報道によると、榊容疑者は「今後は『榊シンイチ』に名前を変えて活動していく」と話していたといい、改名して「ステルス復帰」を狙っていた可能性がありそうだ。だが、今回の逮捕で復帰は極めて困難になったといえるだろう。もし今後、榊容疑者がワークショップを開くと言い出しても、参加する女性がいるかどうかも疑問だ。

 榊容疑者はかつて俳優としても活動しており、2012年にスーパー戦隊シリーズ『特命戦隊ゴーバスターズ』(テレビ朝日系)に司令官・黒木タケシ役で出演していた当時、書店で女子高生のスカートの中を盗撮していた男を取り押さえて「お手柄」と話題になった。もうその時の「正義の司令官」の姿はなく、このまま映画界から追放状態になる可能性が高そうだ。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2024/02/22 11:10
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