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大谷翔平、賭博関与を否定も「最大の謎」残る…米メディアは「受け入れがたい」と疑問視

大谷翔平(写真/Getty Imagesより)

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平が26日(日本時間)、専属通訳だった水原一平氏の違法賭博問題について会見で声明を発表した。自身の賭博への関与や胴元側への送金をはっきり否定したことで「シロ」の印象を強めたが、その一方で水原氏が大谷の口座からどうやってお金を盗んだのかについては言及されず、米メディアで疑問の声が上がるなど物議を醸している。

 会見は質疑応答のない形式で、大谷が通訳同席で声明文を発表。「僕自身、何かに賭けたり、スポーツイベントに賭けたり、頼んだこともないですし、送金を依頼したこともありません」と賭博や送金への一切の関与を否定し、大谷の銀行口座から違法賭博の胴元側に少なくとも450万ドル(約6億8000万円)が送金された件については「結論から言うと、彼(水原氏)が僕の口座からお金を盗んで、みんなに嘘をついていたということになります」と説明した。

 当初、水原氏は違法賭博で背負った巨額の借金を「翔平に肩代わりしてもらった」と語り、自分の目の前で大谷がパソコンを操作し、胴元側に複数回に分けてオンラインで送金したと明かしていた。その発言の翌日に水原氏は「翔平は借金のことも賭博のことも知らず、送金もしていない」と前言撤回し、大谷側の弁護士事務所は「大谷選手が大規模な窃盗の被害に遭ったことが判明し、当局に問題を引き渡した」と発表した。

 もし大谷が違法賭博のことを知りながら水原氏の借金を肩代わりしたとなると、違法行為に関与したとみなされて責任を問われ、出場停止処分や永久追放といった事態になる恐れがある。そのため、急に水原氏の発言が180度変わったのは「大谷が責任を負わないように、弁護士がつくったストーリーに合わせて口裏を合わせたのでは」との疑問が噴出していた。

 今回の声明により、大谷はそうした疑惑を完全否定したことになる。大谷が水原氏の借金や違法賭博のことを知ったのは韓国での20日の開幕戦の後だといい、ホテルに戻った際に「(大谷の)口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金していた」という衝撃の事実を伝えられたようだ。その後に球団や弁護士に相談したという大谷は、「僕の弁護士の人たちがこれは窃盗と詐欺なので、警察当局に引き渡すと報告しました」と経緯を語った。

 この声明を受け、米メディアは「大谷は被害者」とする同情的な論調が増えている。もし声明に虚偽があれば後でバレた時に選手として取り返しのつかないダメージを負うため、大谷の説明にウソはないだろうと考えるメディアが多いためだ。水原氏の違法賭博問題は米国の内国歳入庁(IRS)や米大リーグ機構(MLB)が調査に乗り出しており、徹底的に調べられるのでウソがあれば発覚する可能性が高く、それも今回の声明の信憑性を強めている。

 しかし、その一方で疑問の声も少なからず上がっている。最大の焦点である「どうやって水原氏は大谷の口座に勝手にアクセスし、本人に知られないように約7億円もの大金を送金することができたのか」という疑問への言及がなかったためだ。

 この件について、スポーツ専門メディア「ESPN」は「大谷は水原氏がギャンブルの借金を支払うためにどうやって自分のお金を盗んだのかについては、何も詳細を明かさなかった」と報道。米ヤフースポーツは「『大谷が水原を助けた』から『水原が大谷から盗んだ』というストーリーの変化は無視できない。また、大谷が自分の銀行口座から総額400万ドル以上の送金があったことを『知らなかった』という説明は受け入れがたい」と論じた。

 水原氏が大谷の口座管理をサポートするなどして、IDやパスワードなどを知っていた可能性はある。しかし、億単位のお金が動いでも本人に一切通知がないというのはセキュリティ的に考えづらく、それが最大の謎となっている。

 ただ、この謎に言及しなかったことに理解を示す意見もある。26日放送のフジテレビ系『めざまし8』では、国際弁護士の村尾卓哉氏が「犯罪の手口に関わる部分なので、捜査当局の捜査に委ねたいということで、特定を避けたのだろうと推察します」と分析。捜査への影響などを考慮し、あえて言及しなかったのだろうという考えを示した。

 また、水原氏が当初「借金を肩代わりしてもらった」と主張し、翌日に「勝手にお金を使い込んだ」と話が一転したことについても、学歴や仕事の実績に虚偽があるとする「経歴詐称疑惑」が次々と報じられたことで、保身のためのウソだったのではとの見方が急激に強まっている。

 さらに、水原氏は自ら「ギャンブル中毒」であると告白したというが、ネット上では身近にギャンブル中毒者がいるという人たちから「ギャンブル中毒の人は、その場を取り繕うためならすぐにバレるウソを平気でつく」「水原氏がギャンブル中毒なら、最初の発言が完全にウソだったとしても不思議じゃない」といった声が相次いでいるようだ。

 今回の声明によって「大谷はシロ」という可能性が大きく高まったといえそうだが、水原氏がどうやって大谷の口座から大金を動かしたのかという最大の謎が残っている限り、多少なりとも尾を引くことにはなるだろう。そうしたモヤモヤを吹き飛ばすような、シーズンでの活躍を期待したい。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2024/03/26 15:30
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