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週刊誌スクープ大賞

1兆円企業・山崎製パンの隠ぺい体質 アルバイト死亡事故にも広報担当は「笑いながら……」

紅麹も! 厚労省がHPから消した健康食品(サプリ)の『副作用』

 さて、小林製薬の機能性表示食品・紅麹問題が関心を集める中、ポストは、海外で紅麹のリスクが指摘されていたのに、なぜ日本では知らなかったのかと疑問を呈している。

 そんな中、厚労省のHPに書かれていた『安全性』の情報が昨年、突如削除されていたというのである。『有効性』はあるのに。これでは製薬会社の宣伝をしているようなものではないか。

 ポストが厚労省に問い合わせると、削除されていることは認めたが、その経緯や理由については「調査中」として回答できないの一点張りだったそうだ。

 サプリ大国のアメリカでは、保健福祉省に属する医学研究機関・NIH(米国国立衛生研究所)が健康食品の有効性や安全性に関する情報を整理し、HPで公開しているそうだ。

 そこでポストは、NIHの公開情報から日本でも多く服用され、機能性表示食品として発売されている成分を50種抽出し、一覧表にまとめた。

 ちなみに紅麹はこうだ。

「大量のモナコリンKを含む紅麹食品には筋肉、腎臓、肝臓の損傷などスタチン系薬剤と同じ潜在的な副作用が発生する可能性」と書かれているそうだ。

 一覧表には、よく宣伝されているものが多くある。詳しくはポスト(現代も同様の企画をやっている)を買っていただくとして、いくつか挙げてみよう。

 免疫力向上や傷の治療、味覚を正常にするといわれる「亜鉛」の起こりうる副作用としては、過剰摂取により吐き気、めまい、頭痛、胃のむかつき、嘔吐、食欲不振が起こるという。

 更年期症状の改善にいいという「イソフラボン」は、便秘や下痢。

 筋肉疲労の回復に効くという「L-グルタミン酸」は吐き気、膨満感、胃痛、嘔吐。

 ダイエットにいいといわれる「カプサイシン」だが、胃痛、吐き気、腹部膨満感。

 免疫が向上する、抗酸化作用、血圧の低下、コレステロールの低下、糖質の代謝にいいという「クロレラ」だが、吐き気、下痢、喘息、アナフラキシーを含むアレルギー反応、光過敏症反応など。

 関節痛、関節の違和感を軽減するという「グルコサミン」は、膨満感、吐き気、下痢、便秘など。

 ある種の抗がん剤の副作用リスクを軽減、エイジングケアなどにいいという「コエンザイムQ10」は、吐き気や嘔吐など消化器系の不調。

 頻尿の改善にいいといわれる「ノコギリヤシ」は、消化器症状、頭痛。

 抗酸化作用、目の健康維持、免疫力向上に効くといわれている「ビタミンA」だが、過剰摂取により、重度の頭痛、かすみ目、吐き気、めまい、筋肉痛。

 抗酸化作用、コラーゲン生成を促進、免疫力が向上するといわれる「ビタミンC」だが、過剰摂取により下痢、吐き気、胃けいれんを起こすという。

 骨粗鬆症対策、免疫力向上にいいといわれる「ビタミンD」だが、過剰摂取により、吐き気や嘔吐、筋力低下や食欲減退、のどの渇きなど。ビタミンDの体内濃度が非常に高いと腎不全、不整脈が起こるという。

 抗酸化、抗炎症作用、太陽光に対する過敏症が低下、日焼けリスクが軽減するといわれる「βカロチン」は、喫煙者がサプリメントで服用した場合、結腸がん、肺がん、前立腺がんのリスクが高まるというのである。

 フーッ。大量に服用した場合だろうが、どのサプリにも副作用はつきものらしい。くれぐれも気を付けて選ぶことですな。

 今週の最後の話題は山崎製パンという企業が“ブラック企業”だという新潮の記事。

 私は、ヤマザキパンはほとんど買ったことがない。不味いというのではなく、特徴がなさすぎる、うまくも不味くもないから買う気にならないのだ。

 だが新潮によれば、今やパン業界ではガリバーといわれるそうだ。

 総売り上げ1兆円超にもなり、従業員数は山崎製パンだけで約1万9000人。そのヤマザキグループを率いるのは飯島延浩社長だそうだ。

 その山崎で立て続けに“異変”が起きているというのである。

 社長の次男で社長候補だった佐知彦副社長が謎の急死を遂げた。そして2月24日には千葉工場で死亡事故が発生したそうである。

「千葉市内にある山崎製パン千葉工場において、アルバイトの加藤静江さん(61)がベルトコンベアーに巻き込まれて死亡したのである。
『加藤さんは菓子類の製造作業中にベルトコンベアーに巻き込まれ、胸を強く圧迫されたとみられています。午前10時20分ごろ“女性がベルトコンベアーに挟まれ、意識がない”と工場の関係者から119番があり、病院に搬送されましたが死亡が確認されました』(全国紙社会部デスク)
ちなみにこの事故は一部の新聞などが報じたことで発覚。山崎製パンは今にいたるまで事故に関して何ら発表していない」(新潮)

 通常なら、ベルトコンベアーには安全カバーが付いているという。また、ベルトコンベアーの主電源を切った上で回収していれば起こらなかった事故だったのかもしれないが、山崎製パン元社員によれば、

「知り合いの社員だけで10人ほどが指を落としている」

 というのだからただごとではない。

「例えば、和菓子の串団子の串が折れて詰まってしまってベルトコンベアーがストップした、というようなトラブルの場合、本来は主電源を落とした上で折れた串を取り除く作業をしなければなりません。しかし、主電源まで落としてしまうと、商品の一部がダメになってしまう可能性がある。そのため、主電源を落とさないまま修理に当たることがあるのです」

 今回の死亡事故は稀だそうだが、従業員の安全面に関しては疑問符が付くという。

 しかし新潮によれば、実は死亡事故は過去にも起こっているそうだ。

「20年には、神戸工場で、プラスチック容器の洗浄ラインの機械を停止させずに不具合の修復作業に当たっていた30代の男性従業員が、容器と機械の内壁の間に頭や上半身を挟まれて死亡するという事故が起こっています」(山崎製パン関係者)

 さらに、

「15年には、古河工場で、小麦粉を貯蔵するタンクの清掃作業を行っていた従業員の土門佑一さん(39)=当時=が、高さ約10メートルの足場から転落して死亡。

 12年には、群馬県の伊勢崎工場で山崎製パンの配送社員の鈴木伸治さん(32)=当時=が、トラックのドアと車体の間に挟まれて死亡する事故が発生している」(新潮)

 だが、メディアは多額の広告費を払ってくれる山崎製パンに気を遣い、ほとんど大きく報じられることはないそうだ。

 今回の加藤静江の死について山崎側に取材をかけると、呆れ果てた答えが返ってきたのである。

「取材に対面で応じた同社広報部門の担当者に、今回の死亡事故について公表するつもりはないのかと聞くと、
『今はだから、発表してませんでしょう』
現在、労働基準監督署の調査が続いているという。それが終わったら事故を公表するつもりがあるのかと尋ねると、あろうことか、笑いながらこう答えたのだ。
『調査いつ終わるかも分かっていませんし、調査が来週終わるんだったら、さあどうしようかと今検討する機会になると思いますよ』
 さらに、過去に死亡事故がどれくらいあったのかと聞くと、
『いやそんなないですよ』
そう答える。そこで、“そんな”の部分を具体的に教えてほしい旨伝えると、こう述べたのだ。
『10年さかのぼればありますね』」(新潮)

 こういう広報の人間を置いている会社は潰れるな! 少なくとも社長交代か。

 小林製薬の紅麹事件も然りだが、パンのような毎日の食卓に必要で、口に入るものを製造しているという緊張感がないのだ。

 以前、お家騒動のようなものがあったと記憶しているが、こんなパン屋が日本一などというのは、消費者が舐められているとしか思えない。

 新潮は、第二弾をやるべきだと思う。(文中敬称略)

【巻末付録】

 最初は現代から。

「菊池寛『真珠夫人』×真島なおみ」「小日向ゆか 太陽もかすむほど」。小日向いいよ!

 お次はポスト。

「極上バストの女神たち」。袋とじ「鷲尾めい 秘湯宿に誘われて」。「小日向結衣 見せたがりな彼女」「山田雅弥 Yでいいじゃない!」
 小日向ゆかと鷲尾めい。どちらもいいね。今週は引き分けだな。

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2024/04/16 16:00
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