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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『花咲舞が黙ってない』半沢に劇団ひとり

『花咲舞が黙ってない』第5話 半沢直樹役に劇団ひとり 今田美桜の“マンガ顔”との相性

劇団ひとり

 11日放送のドラマ『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)は第5話。ここまで悪い人をひとり仕立てて花咲(今田美桜)と相馬(山本耕史)の臨店班コンビが成敗するという安定のパターンで楽しませていただいていたわけですが、この第5話からは新展開となりました。

 花咲たちが働く東京第一銀行と、ライバルバンクの産業中央銀行が合併を発表。当然、その経緯は平社員である花咲が与り知るところではありませんが、頭取同士の密談が行われた田舎町の温泉に偶然居合わせたことから、この合併劇に関わっていくことになります。

 そして、いよいよ登場しました半沢直樹。いや~、半沢直樹だ。

 振り返りましょう。

■『花咲』リメイクの必然性

 今回の『花咲』はここまで、2013年と14年に放送された杏主演のシリーズ1・2のスタイルを踏襲してきました。杏から今田美桜、上川隆也から山本耕史へのスイッチはあったものの、悪くいえばリメイクの域を出ていない、代り映えのしない作品でもあったのです。

 それでもちゃんとおもしろいのが池井戸潤原作なわけですが、この第5話からの半沢直樹登場で、新しい物語に大きく舵を切っていくことになりそうです。

 花咲舞と半沢直樹が同じ作中に登場したのは、シリーズ1・2終了後に読売新聞で連載された小説『花咲舞が黙ってない』が最初です。

 10年越しに『花咲舞』がドラマになると聞いたときは、なんで今さらとも思ったものですが、今回のリメイクの目的は半沢直樹を登場させることだったわけですね。花咲と半沢、池井戸作品が生み出した2人の強烈なキャラクターを対決させるという、ある意味、ゴジラvsキングコング的な遊び心を抱いて生まれてきたドラマというわけです。

 TBSが国民的バンカーに育て上げた「半沢直樹」という名前を、日テレが節操もなくドラマの売りに使っている。もともとは池井戸潤が作ったキャラクターだし原作の小説『花咲舞は黙ってない』にも半沢直樹が出てくるわけだから、別に誰に不義理をしているわけでもない。楽しいことをやるなぁと思うんですよ。

 でも、だからこそ「誰が半沢直樹を演じるのか」は大問題になってくる。まさか堺雅人を使うわけにもいかないし、堺雅人のTBS版半沢よりパワーダウンさせるわけにもいかない。「安っぽくなったね」と思わせてはいけない。TBSの『半沢直樹』に出ていた誰かでもいけない。

 絶妙だと思いました、劇団ひとり。

 スカシのキャスティングでありながら、格として見劣りしてない。杏よりコミカル風味が強くなった今田美桜の花咲にもマッチしているし、当たり前だけど芝居もちゃんとできる。

 この一週間、いろいろ想像してみたわけですが、いざ劇団ひとりだといわれると、ほかに思い浮かばないくらいドンピシャな半沢だと思います。逆に言えば今回の『花咲』が半沢との対決を描くために作られたのだとしたら、劇団ひとりにとっては1クールのドラマを背負う大きな仕事だということです。

■ライトコメディであるという主張

 もともと『花咲』というドラマは“女・半沢直樹”という触れ込みで始まったシリーズでした。池井戸潤の『不祥事』(実業之日本社)に登場した女性キャラクターの名前をタイトルに冠して、「半沢の二番煎じ」と呼ばれることをまるで恐れずに開き直って作られたドラマです。

 劇画調の演出と大仰なセリフ回しで人気を博した『半沢直樹』を向こうに回して、等身大のキャラクターとしての花咲舞を打ち出してきた。

 杏から今田美桜に代わって、その等身大なイメージ、ライトコメディであるという主張はさらに強くなったと感じていました。何しろ今田美桜は顔面がマンガみたいですからね。

 ここにいたって見渡してみると、今のところシリアスパートを担っている菊地凛子や要潤もめちゃくちゃコメディに強い俳優さんですし、この人たちのお芝居を眺めているだけで、余裕で最終話まで走り切れそうな気がします。

 よかったよかった。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

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最終更新:2024/05/12 11:00
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