日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『花咲舞』一変する「一話完結」スタイル

『花咲舞が黙ってない』第7話 合併話と人物の再配置で一変する「一話完結」スタイル

今田美桜

 

 

 

 今日も今田美桜のおっきい目ん玉がぎょろりと動いた『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)、25日放送分は第7話でした。

 このドラマは基本的に小説版『花咲舞が黙ってない』(講談社文庫)からエピソードを引用しつつ、原作の順番通りに進んできていました。

 ところが今回のエピソードは、小説では前回よりひとつ前に登場したものです。ここにきて、話数の順番が入れ替えられている。

 では、振り返りましょう。

■ふたたび「一話完結」への回帰

 今回は四谷支店を訪れた花咲(今田)と相馬(山本耕史)の臨店班。小学生を迎えた社会科見学の業務は滞りなく終わりましたが、近辺は何やら物々しい様子。本部に帰ってニュースを見ると、どうやら近くで通り魔事件があったようです。

 聞けば、その通り魔はつい先日、この四谷支店でローンを断られた個人営業の設備屋だという。これを担当した若いマニュアル通りの意識高い系男子行員がきっかけで、大問題が発生します。

 四谷支店が150億という大口の融資を行ったばかりの大手ガス会社が、リコール隠しを行っていたことが発覚。爆発事故を起こし、都内だけで2,000もの飲食店がガス設備を使えないという事態に。

 この150億は、合併を目の前に控えた産業中央銀行が引き上げたことによる肩代わり融資でしたが、花咲たちは産業中央がなぜ不正発覚直前のタイミングで融資を引き上げることができたのか、どうしても腑に落ちません。

 ここで花咲の持ち味である「暴走癖」が発動。相馬を連れて融資の引き上げを行った産業中央の四谷支店に乗り込むと、産業中央はガス会社の出入り業者からのタレコミを受けて融資を全額返済させたという。

 産業中央はご丁寧にも、その出入り業者に「東京第一銀行にも言っときな」と進言したそうで、実際その業者は東京第一にもタレコミをしていましたが、それを受けた意識高い系クンの報告を軽く見た支店長が融資を強行したことが発覚しました。

 ドラマ版『花咲』は第4話まで完全な一話完結のいわゆる“水戸黄門”スタイルでしたが、第5話で合併話が持ち上がり、前回の第6話で銀行上層部である昇仙峡玲子(菊地凛子)と花咲の距離を格段に近づけるということをやってきました。

 そうして第5話で大状況としての景色を一変させ、第6話で人物の再配置を行っている。

 その2つの要素が、同じ一話完結の回でもまったく違う後味を残すことになっています。花咲たちが不正を暴いた後、昇仙峡が花咲に言う「勝手なことすんな、銀行に都合の悪いことすんな」という言葉は変わっていないけれど、その花咲が昇仙峡の過去を知り、昇仙峡が亡くなった恋人の面影を花咲の中に感じていることが描かれているので、意味が違ってきている。そのセリフや態度に含まれる要素が豊かになっているということです。

■話数が縛られているからこそ

 連続ドラマは、テレビ局の都合で「何話でやってください」と話数を縛られるものです。おもしろくしたいから15話やりたいとか、完成度を上げたいから8話で終わりたいとか、ここのエピソード濃くしたいから●話目は90分やりたいとか、そういうことが許されない。もちろん、数字だって取らなきゃいけない。

 そういうのを全部乗り越えた上で、初めて「おもしろい」とか「おもしろくない」とかいう視聴者の判断を仰ぐことになる。

 話数の入れ替えの話なんですが、今回の『花咲』のおそらく到達点である半沢直樹を何話に初登場させるかというのは、かなり頭を悩ませたところだと思うんですよね。早すぎてもいけないし、ずっと一話完結だけやってるわけにもいかない。

 そういうタイミングを計って、原作のエピソードを入れ替えてつじつまを合わせ直すということをやってるんですよね。すげえ大変な仕事してるなぁ、と今回はそんな話です。はい。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

どらまっ子AKIちゃん

どらまっ子です。

最終更新:2024/05/26 19:00
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed