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『Believe』最終話、事故の真相が明らかに 狩山・木村拓哉の再生劇で伝えたかったこととは…

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木村拓哉(写真/Getty Imagesより)

  狩山(木村拓哉)が脱獄してまで明らかにしたかった崩落事故の真実。固く閉ざされた真実の扉をこじ開けるカギは仲間を信じる心だった。木曜ドラマ『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系)の最終話が6月20日に放送された。前話では狩山が真相にたどり着くことなく妻の眼の前で逮捕されるという衝撃ラストを迎えただけに、「あと1話で完結するの?」と不安を抱いた視聴者もいるはず。しかし、今クール屈指の超大作にふさわしいエンディングとなった。

 テレビ朝日開局65周年を記念して制作された『Believe-君にかける橋-』は、主演の木村拓哉をはじめとした主役クラスの俳優が一堂に会したヒューマンサスペンスドラマだ。木村演じる狩山は大手ゼネコン・帝和建設の土木設計部のリーダーとして、東京都の一大プロジェクト・龍神大橋の設計責任者となる。しかし、下請け会社が秘密裏に安価なワイヤー材を使う不正を行い、その影響で建設現場で崩落事故が起き、不正に手を染めた若松(竹内涼真)が命を失ってしまう。帝和建設を守るため、狩山は全責任を背負い刑務所に収容されるが、偽りの生き方を選んだことを悔い、仲間の協力を得て脱獄に成功する。狩山は崩落事故の真実を告発するべく関係者と接触していくが、行く先々で狩山に責任を負わせたい帝和建設と、脱獄囚として断罪する警察の妨害を受ける。帝和建設社長・磯田(小日向文世)との対面が迫るなか、狩山は妻・玲子(天海祐希)と再会するが、待ち構えていた警察に逮捕されてしまう。万事休すの状況のなか、狩山は崩落事故の真相、若松を利用した“黒幕”の正体を暴くことはできるのだろうか……。

 逮捕された狩山を待っていたのは、権力に屈したように見えていた仲間たちの援護だった。弁護士の秋澤(斎藤工)は狩山を裏切り磯田の支配下を選んだふりをして、帝和建設の内部に入り込み不正の証拠探しを行っていた。さらに、かつて狩山の弟分だった南雲(一ノ瀬颯)は不正を口外しない代わりに栄転させようとする磯田の誘いを断り、南雲の婚約者・本宮(山本舞香)は南雲が狩山から引き継いだ不正に関するデータを秘密裏にコピーしており、このコピーデータによって狩山の再審は大きく前進した。本宮は南雲の浮気を疑うなかで偶然データを見つけただけに、もしも南雲に同僚の婚約者がいなければどんでん返しは起きなかっただろう。まさに本宮・南雲の部下コンビによるファインプレーといえる。

 龍神大橋の崩落事故は、磯田が不正への関与を認めたことで狩山の無実が証明された。磯田は騙し合いの官僚時代を生き抜いてきたエリート階層であり、筆者は磯田自ら罪を認める展開を想像していなかった。冷酷な磯田であっても良心がわずかにあったのだろう。

 本作品を通して実感したのは、誰もが大なり小なり“罪”を背負って生きているということだ。無実でありながら会社の罪を背負う道を選んだ狩山をはじめ、自身の無責任な言動により依頼人が自ら命を絶ってしまった過去を背負う秋澤、龍神大橋の一件で上層部に逆らえず不正に加担した南雲、そして東京都が威信をかけて取り組む黒鉄島プロジェクトの体制を整備する時間を稼ぐため、龍神大橋の“意図的な崩落”にゴーサインをだした磯田など、狩山の脱獄劇のなかでそれぞれの葛藤が描かれた。多くの人は罪から目を背け、無関係を決め込む。しかし、崩落事故に関わったキャラクターたちは、ある者は自ら罪を直視し、ある者は狩山に触発されて罪に向き合い始めた。限られた放送回で十人十色の改心の過程を描いて着地させたのは拍手ものだ。

 会社の不正の犠牲者となり、かけがえのない夫婦の時間を失った狩山。玲子の夢だったマイホームも彼女が天に召されたことで叶えられず悔やんでも悔みきれないだろう。しかし、狩山は橋屋として再び歩み始めている。人生には後悔や罪悪感はつきものであり、狩山がエンディングで見せた前を向く姿勢は現代に生きる人々への“熱いエール”になったことだろう。

■番組情報
テレビ朝日開局65周年記念 木曜ドラマ『Believe-君にかける橋-』
テレビ朝日系毎週木曜21時~
出演:木村拓哉、天海祐希、竹内涼真、斎藤工、山本舞香、一ノ瀬颯、上川隆也、小日向文世、北大路欣也 ほか
主題歌:MAN WITH A MISSION『I’ll be there』(Sony Music Labels Inc.)
脚本:井上由美子
音楽:林ゆうき
エグゼクティブプロデューサー:三輪祐見子
プロデューサー:都築歩、髙木萌実、松野千鶴子
監督:常廣丈太、樹下直美
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
公式サイト: https://www.tv-asahi.co.jp/believe/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2024/06/23 10:00
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