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民間委託のほうがカネがかかるという真実……図書館は無料の貸本屋じゃないよ

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※イメージ画像

 12月中旬、練馬区の図書館で図書館司書らがストライキに突入する構えを見せ、注目を集めた。

 各種メディアが飛びついたこの騒動。発端となったのは、練馬区教育委員会が進めている図書館の民間委託である。

 練馬区では、すでに全12館ある図書館のうち9館を民間に委託。さらに、練馬・石神井の2館も民間委託する方針を示していた。それに対して、当該館の図書館司書らが反発した形だ。

 練馬区では、すでに民間委託している図書館は利用住民らの満足度も高いとしている。近年、指定管理者制度を適用し、図書館の民間委託は全国でも盛んに行われている。都内でも、そうした図書館は増加傾向で、中には入館者に「いらっしゃいませ!」と居酒屋みたいに声をかけてくるところもあるが、総じて展示コーナーなどが大型書店並みに充実していて、パッと見はきれいになっている。

 しかし、見てくれはよくても、図書館の民間委託がうまくいっている事例は全国にひとつもない。ある図書館関係者は語る。

「指定管理者制度を導入した上で、従来の公立図書館と同様の事業を行おうとすれば、経費は従来の1.5倍は必要になります。その分はどうなるかといえば、職員の賃金を抑えることで捻出するわけです。行政が、奴隷労働を生み出しているというわけです」

 もちろん、指定管理者制度を導入して、うまくいっている公共施設も中にはある。体育館なり公民館なり、使用料を稼げる施設の場合が、そうだ。しかし、あくまで無料が当たり前の図書館では、それは不可能。

「民間にやらせれば、見てくれはよくなって、合理化とか改革をやっているという“見せかけ”を演出できる。ただ、それだけのことです」(同)

 図書館は無料の貸本屋じゃないということは、いまだ理解されていない。その問題が改めて注目されたというわけか。
(文=昼間たかし)

最終更新:2018/12/27 23:00
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