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ロッテ鳥谷、阪神時代を「鳥谷敬を一生懸命演じていた」と振り返ったワケ

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鳥谷敬(写真/GettyImagesより)

 プロ野球・千葉ロッテマリーンズの鳥谷敬選手が3日、千葉・ZOZOマリンスタジアムで引退会見を行い、「心残りはない」と16年間の現役生活に別れを告げた。

 グレーのスーツ姿に丸型眼鏡という、鳥谷らしいお洒落なコーディネートで会見場に現われたが、先だってグラウンドで練習していた選手たちに挨拶。「誰にも終わりがある。現役でいられる時間を大事にしてほしい。日本一になって」と話した。

 昨年3月に千葉ロッテに途中入団した鳥谷だが、その前は阪神タイガースの看板選手としてプレーしていたことでも知られている。この頃について「野球選手の鳥谷敬を一生懸命演じている感じだった」と語っていたが、昭和ならまだしも、令和の時代になってもプロ野球12球団の中で、チームによって差があるのだろうか。

 プロ野球OBは「鳥谷の会見の言葉は本心だと思います」と話す。

「関東出身で大学も早稲田大学だった鳥谷は、阪神タイガース入団が決まってから初めて関西で生活を始めましたが、関西圏という土地においては、ファンだけでなくマスコミもタイガースに対して熱狂的なのです。こうした傾向は、関東圏とまったく異なるといっていいでしょう。グラウンドで打った、投げた、守ったの話題はもちろんのこと、当時は各スポーツ紙が『今日の鳥谷』と題した特設コラムを作っては動きをつぶさに報道していました。テレビ局も同じ感じで報道していましたから、休み時間なんてまったくありません。

 “タイガースあるある”話の一つですが、『衆人環視』であることをプロ野球生活1年目から身をもって体験した。これを回避するには、人と接触しない、接触できる雰囲気を作らないことが一番手っ取り早い。阪神ファンがイメージする鳥谷は“無口でクール”が多いと思いますが、素顔の彼は冗談も飛ばすし皮肉も言うような、ごくごく普通の人間です。16年も“仮面”を被ったまま通算2000安打を達成できたこと自体、奇跡に近い偉業だと思います」

 引退後について「野球に恩返しをしたい」と話していた鳥谷。周りからは指導者や監督を待望する話も出ているが、前述のプロ野球OBは、「阪神時代にかなり高額の年俸だったので、これからは家族との時間を最優先に過ごすのではないか。メディアで喋るのも得意ではないので、解説やコメンテーター業にはあまり向いていない」と分析する。

 しかしながら、長い間にわたってプロ野球界のトップ選手として走り続けてきた鳥谷がこのまま野球界からすんなり身を引くのはもったいない。次は鳥谷監督として再びグラウンドに戻ってくる日を願いたい。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2021/11/10 17:00
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