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『映画業界最前線物語 君はこれでも映画をめざすのか』発刊記念インタビュー

映画ジャーナリスト大高宏雄氏が振り返る2013年 第一期を終えたテレビ局映画と若手監督らの台頭

【2013年 年間映画興行上位作品】
1位 風立ちぬ 120億円 東宝
2位 モンスターズ・ユニバーシティ 89億6000万円 ディズニー
3位 ONE PIECE FILM Z 68億5000万円 東映
4位 レ・ミゼラブル 59億円 東宝東和
5位 テッド 42億4000万円 東宝東和
6位 ドラえもん のび太のひみつ道具博物館 39億8000万円 東宝
7位 名探偵コナン 絶海の探偵 36億3000万円 東宝
8位 真夏の方程式 33億1000万円 東宝
9位 謎解きはディナーのあとで 32億円 東宝
10位 ポケットモンスター ベストウィッシュ 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒 31億7000万円 東宝
(文化通信社調べ)

──宮崎駿監督の引退作『風立ちぬ』に話題が終始した感のある2013年の映画興行はどのように見ていますか? 実写映画のヒット作が少ないことが気になります。

大高 2012年は『BRAVE HEARTS海猿』『テルマエ・ロマエ』『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』と興収上位3本をフジテレビ作品が独占しましたが、2013年は『風立ちぬ』『モンスターズ・ユニバーシティ』『ONE PIECE FILM Z』とアニメ作品が上位を占めています。テレビ局映画が低迷した年だと言えるでしょうね。『踊る大捜査線THE MOVIE』(98)の公開から15年。テレビ局映画は確実に一巡した感があります。第1期が終わり、テレビ局映画は新しい鉱脈を探している過渡期にあると言えるんじゃないですか。フジテレビは今後は三谷幸喜や周防正行といった個性のある監督をブランド化した作品を作っていく腹づもりのようです。フジテレビが中心になって製作した是枝裕和監督の『そして父になる』も、その一環と見ることができる。是枝監督としてはこれまでで最高の31億円を越えるヒットを記録しました。ただ、監督のブランド化といっても、メガヒットはどうでしょうか。60億〜80億円のメガヒットを狙うには、やはり『海猿』や『踊る』のようなイベント的要素の強い娯楽作でないと難しい。木村拓哉や福山雅治に続く、新しいスター俳優をテレビ局は育てられるのかということも今後のポイントになるでしょう。また、以前から指摘していることですが洋画離れが激しい。『テッド』の大ヒットが一過性で終わってしまった。邦画はまだテレビと連動させたり人気キャストを配することでアピールできますが、洋画は若い層に目を向かせることがますます難しくなっていますね。

──興収ランキングとは別に、2013年を代表する作品はありましたか?

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