日刊サイゾー トップ > 海外  > 困窮した母親が子どもを叩き売り

「赤ちゃん売ります!」生活に困窮した母親が、実の子どもを路上でたたき売り……

114451625.jpg

 人身売買目的で子どもを誘拐する事件が年間5,000件以上発生しているといわれる中国だが、経済的困窮を理由に、実の子どもを売ろうとする親もいるようだ。

 昨年12月の寒空の下、福建省福州市の道端に、泣きながら「子どもを買ってください」という手書きの紙を掲げる女性が現れた。

 彼女は、仕事中に大ケガを負った夫の治療費、約180万円に事欠き、やむを得ず1歳に満たない自らの赤ん坊を売ることにしたのだという。目撃者の話では、4時間にわたり路上で買い手を募集しており、傍には赤ちゃんの2人の姉もいて、妹を売らないよう母に懇願していたという。

 2人の姉たちによると、赤ん坊が売りに出されたのは、実は今回が初めてではない。以前は父親が、生まれた直後の赤ん坊を売ろうとしたが、その時は母親が阻止したという。

114451633.jpg

 中国版Twitter「微博」には、実の娘を売るという母親の行動に対し、

「これだけ子どもを作っておいて、何かあったら売るなんて許せない」
「農村の人間は子どもを産めば生むほど貧しくなるって、どうして分からないんだ?」
「この事件を違う視点で考えると、社会保障制度の未整備という問題に関係している」
「どうせ、路上で小銭をせびるためのパフォーマンスだろう」

といった、さまざまな意見が書き込まれている。

 実際、中国の医療保険制度には、まだまだ未整備な面が多い。

 都市戸籍を持つものは、公的医療保険への加入が義務付けられているのに対し、農村戸籍者は任意だ。また、保険に入っていたとしても、保険金は後払いが原則であるため、何かあった際にはまず手術費や入院費を自腹で支払わなくてはならない。今回のように重大な事故に遭ってしまった農村戸籍の貧しい農民は、治療に掛かる初期費用を払えず、点滴くらいの処置しか受けることができない。

 一人っ子政策のもと、家族からの寵愛を一身に受けて育った子どもたちのワガママぶりが指摘される一方、実の親に売りに出される子どもたちもいるとは、中国国内で拡大の一途をたどる格差社会を如実に映し出している。
(文=牧野源)

最終更新:2015/08/27 12:25
ページ上部へ戻る
トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

山崎製パンで特大スキャンダル

今週の注目記事・1「『売上1兆円超』『山崎製パ...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真