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増加する“ストーカー殺人”加害者の心の深淵をのぞく『ストーカー加害者:私から、逃げてください』

 先月、東京・小金井市で女子大生シンガーソングライターがファンを名乗る男に襲われる痛ましい事件が発生した。男は、SNSで女子大生に対して脅迫めいた発言を続けていたと報じられている。2010年代に入り、こうしたネットを介したストーカー事件が後を絶たない。そういった中で、無視され続けてきたストーカー加害者のパーソナリティを知る必要があるという声が上がるようになった。その声の主は、ストーカー殺人の被害者遺族だった。

 『ストーカー加害者 私から、逃げてください』(河出書房新社)は、著者でドキュメンタリー・ディレクターとして活躍する田淵俊彦が複数のストーカー加害者とされる人に行ったインタビューを元にしたルポだ。
 
 田淵は、インタビューの結果から、ストーカーは3タイプに分類できるという。

「私は被害者であり加害者ではない」と語る佐藤さん(仮名)は、わかっているけどやめない“執着型”。相手より優位に立ちたいという気持ちが強いのが特徴で、佐藤さんは「相手が這いずりまわる姿をみたい」と、平然と言ってのける。佐藤さんが執着するのは、別れ方がわからないから。「別れるくらいなら、殴るくらいのことをしてみせて」。歪んだ愛情表現を口にする。

 50代後半の田中さん(仮名)は、わかっていないからやめられない“求愛型”。一途な人が多く、思い込みが激しいこのタイプは、「相手がどう思っているか?」を理解するまで、延々とストーカー行為を繰り返す。田中さんは、相手が今でも自分の求婚を受け入れてくれるのだと信じている。

 ネット上で知り合った面識のない男性に、理想像を重ねる上田さん(仮名)は、わかっているけど、やめられない“一方型”だ。ストーカー行為をしている自分自身にアイデンティティを見いだし、なにもしていないことが耐えられない。「私は、その人が住んでいた家が自分の家だと思っていたんです」上田さんは、6時間もかかる相手の家に何度も通った。

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