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東京ビッグサイト問題抗議デモは、これが最後? シュプレヒコールは、やり場のない怒りへ……

 問題の解決に向けた糸口もないまま、関係者の苦悩だけが深刻なものになっている。昨年の6月以来、3回目となる東京ビッグサイト問題抗議デモ。報道関係者に向けた案内には「これが最後となる可能性もある」と、悲痛な叫びと受け取れる一文までもが綴られていた。

 東京オリンピック・パラリンピックを理由とした東京ビッグサイトの使用制限。それに伴う各種展示会・イベントの開催規模縮小や中止が、2兆円規模の損失をもたらすことが知られるようになって3年あまりになる。この間、昨年4月には使用制限期間のわずかな短縮が提示される動きもあった。

 けれども、抜本的な解決にはなっていない。展示会のディスプレイを施工する業者、同人誌印刷会社からケータリング業者まで、多数の産業が「使用制限で損をする」というのは、逃れられない未来になっているのだ。

 デモを主催する「展示会産業で働く人々の生活と雇用を守る会」の下茂貴樹氏は、以下のように語る。

「今は、仕事で毎週のように東京ビッグサイトに行っている。これがなくなってしまうということは、倒産する会社も出てくるということです。東京ビッグサイトが使えないからと、その時期だけ別の仕事ができるわけじゃないんですよ」

 今回「これが最後となる可能性」とまで記したのは、もう軌道修正を検討する時間も極めて少ないからだ。

「2019年には、東京ビッグサイトを五輪のメディアセンターとして使用するための工事も本格化します。ですから、もうあと数カ月で解決しなければ時間切れになってしまうのです」(同)

 どうしようもないままで損失を被り、ともすれば会社が倒産する未来だけが近づいている。

 確かに、この問題をめぐっては、直接東京ビッグサイトから会場を借りるイベント主催企業と関連企業との温度差、問題解決に向けたアプローチの手法や、その取捨選択など、さまざまな問題もあったことは否めない。このデモ自体が、解決に向けた直接的な糸口になるかもわからない。

 それでも、損することを規定路線にされてしまった人々が「そんなのやってられるか!!」と、声を出さずにはいられない心情をくみ取らずにはいられない。

 デモに参加したイベント関連事業を営む会社社長は語る。

「誰に言えばいいのか……。騒いでも、受け止める主体が定かではないのは確かです。それでも……」

 どうしようもない怒りの炎は、果たしてごうごうと燃え上がるのだろうか。引き続き、この問題を追っていくことにする。
(文=昼間たかし)

最終更新:2018/02/18 21:00
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