日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 現役編集者が怒りの提言「権利ビジネスに頼るな!!」(後編)

現役編集者が怒りの提言「権利ビジネスに頼るな!!」(後編)

20071008_zadankai3.jpgメディアミックスが生む驚異の経済効果とは?
<サイゾー>10月号より

今や、一大巨大産業と化したマンガ業界。では、雑誌作り、コミック出版、そしてメディアミックス等のビジネス展開について、現場のマンガ編集者たちは、日々何を考え、そしてどのような・戦略・をもって業務をこなしているのだろう?

[座談会出席者]
A 大手出版社勤務(マンガ編集歴6年)
B 中堅出版社勤務(マンガ編集歴20年)
C 大手出版社勤務(マンガ編集歴5年)

前編はこちら

内容改変で作家が激怒!? ドラマ化の難しさ

C 一般的には、アニメ化やドラマ化などのメディアミックスをすると、出版社と作家双方が潤う、と認識されてるみたいですけど、それ、ちょっと誤解がありますよね。

A うん。アニメ化でも映画化でも、版元に原案使用料や放映権料などが数十万円程度入るだけで、作家となるとタダ同然。契約によっては、グッズやDVDの売り上げの何パーセントかは入るだろうけどね。

B 昔は結構いいかげんで、テレビ局と編集者で、「この作品貸してよ」「おう、いくらで?」「50万でどう?」みたいな世界だったよ。

A テレビ局側には、安く収めたいから原作にマンガを使ってるという面があるし、その一方で、自前でコンテンツを作れないクセに、「ドラマにしてやってもいいよ」という見下した意識もいまだにある。

B さすがに、相手が「週刊少年ジャンプ」の作品ともなると、テレビ局も結構腰低いけどね(笑)。あと、パチンコ化はでかいよ。版元に何千万単位で入る。

C 結局、作家にとって金銭的に大きいのは、メディアミックスした結果、コミックの売り上げが跳ね上がるという点に尽きますよね。印税は、実売部数じゃなく発行部数で計算されますし。『のだめカンタービレ』(講談社)なんて、ドラマのヒットと同時に、各巻を一気に数十万部の大増刷。初版2万部程度の作品が、いきなりドル箱作品に大化けですよ。

A 毎週テレビででかい広告を打ってくれているようなもんだからね。コミックに「アニメ化」って帯が付くと、書店でも平積みにしてもらえるし、普段の読者と違う層にアピールできる。でもまあ、『デスノート』(集英社)とか、もともと売れてる作品も多いし、実はそれほど顕著に販売数が伸びるわけでもないんだけどね。

C だから、原案使用料などで揉めることはほとんどないですけど、『働きマン』(講談社)や『おたんこナース』(小学館)みたいに、内容や段取りが問題になって、ドラマ化がご破算になるケースは後を絶ちませんね。

B 先に伊東美咲や観月ありさというキャスティングが決まっちゃってて、作家がキレたんだよね。『働きマン』なんか、アニメはフジ、ドラマは日テレという変な状況になっちゃった。

A まっとうな作家であれば、自分の作品を大事にしたいと思うのは当然だけど、脚本書くほどの暇はないし、どうしてもイメージと違うものになっちゃうんだよ。それに対して怒る作家もいるけど、「しょうがないや」ってあきらめる人も多いよね。

C でも、『鋼の錬金術師』(スクウェア・エニックス)のように、明らかに原作とは変えて作ったアニメが売れるケースもありますよね。

A うん。結局はクオリティさえ高ければ問題ないわけで、そこが難しいところだよね。われわれ担当編集者は、出版社の社員とはいっても、作家側の人間として、彼らとその作品を守らなきゃいけない。まあ、今はどの出版社にも権利ビジネス関係の専門セクションがあるから、ビジネス全体のことは一編集者には見えづらいし、作家の金銭管理まではなかなかできないけどさ。

C 確かに、ビジネスの部分はすでに決定されてて、どうしようもないことが多いですけど、テレビ局や制作会社、あるいはライツ事業部と作家の間に立って、シナリオやキャラ設定など内容の調整をすることは、ある程度できる。メディアミックスで劣化版を作られると、原作にもダメージが返ってくるから、そこだけは担当編集者の矜持として、絶対に譲れないところですよね。

(構成/柳一人)

【前編はこちら】 現役編集者が怒りの提言「権利ビジネスに頼るな!!」(前編)

【関連記事】 「ジャンプスクエア」に名を連ねる予定だったアノ大物マンガ家
【関連記事】 再開を喜ぶべき? 『HUNTER×2』富樫とジャンプの罪
【関連記事】 『20世紀少年』は駄作?“天才”浦沢直樹はホントに面白いか
【関連記事】 『ジョジョ』荒木飛呂彦先生は永遠に美しいッッッ!?
【関連記事】 新ドラマ『働きマン』にあの創価学会が撮影協力!?
【関連記事】 安野モヨコのせいで『働きマン』になれなかった松たか子
【関連記事】 週刊誌女性記者が提言! もっとしっかり働け『働きマン』
【関連記事】 藤子プロの突き上げが発端 ドラえもん最終話騒動の真相
【関連記事】 10年連続でマイナス成長!!お先真っ暗!?なマンガ産業研究
【関連記事】 ミスリードされる少女マンガのエロ規制
【関連記事】 大ヒット漫画『ネギま!』作者はキュートな萌え妻にメロメロ!?

最終更新:2008/06/09 18:58

現役編集者が怒りの提言「権利ビジネスに頼るな!!」(後編)のページです。日刊サイゾー芸能最新情報のほか、ジャニーズ/AKB48/アイドル/タレント/お笑い芸人のゴシップや芸能界の裏話・噂をお届けします。その他スポーツニュース、サブカルチャーネタ、連載コラムドラマレビューインタビュー中韓など社会系の話題も充実。芸能人のニュースまとめなら日刊サイゾーへ!

ページ上部へ戻る

人気連載すべて見る

元木昌彦の『週刊誌スクープ大賞』

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"元木昌彦による週刊誌レビュー

“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士、かく語りき

“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士の最新情報をお届け! 嫁・麗子も時々登場。

テレビウォッチャー・飲用てれびの『テレビ日記』

テレビの気になる発言から、世相を斬る!

じゃまおくんのWEB漫クエスト

マンガレビューブログ管理人じゃまおくんが、インターネットに埋もれる一押しマンガを発掘!

腹筋王子カツオ『サイゾー筋トレ部』

“腹筋インストラクター”腹筋王子カツオさんが、自宅でも簡単にできるエクササイズを紹介!

イチオシ企画

[呂布カルマ]ゲオの骨伝導ワイヤレスイヤホン体験インタビュー

グラビアディガーが○○鑑賞中の“まさか!?”を回避できる骨伝導ワイヤレスイヤホン
写真
人気連載

ロメロ『アミューズメント・パーク』レビュー

 ジョージ・A・ロメロ監督といえば、「ゾンビ...…
写真
インタビュー

原田龍二が瓜田純士にラブコール!

はみだし者、という意味を持つ“アウトロー”。道なき道を行く彼らは、いつも孤独とともにあ...
写真