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“UFO界のドン”矢追純一 UFOメディアを叱る!

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 日本のUFO界は、この人ナシには語れない!! 日本テレビプロデューサーとして、日本UFO界の黄金時代を築いた男が語る「UFO番組のつくり方」、そして、今の日本のUFOメディアに足りないものとは?

──矢追さんは、現代日本のUFOシーンをつくった第一人者でいらっしゃるわけですが、そもそもなぜ、テレビでUFO番組をやろうと考えたのですか?

矢追(以下、矢) みんなに「空」を見せたかったんですよ。高度成長期に入って、経済的にはどんどん豊かになっていったけど、それに比例して、一点ばかりを見つめて歩くゾンビのような日本人が増えてしまった。人間って、ふと立ち止まって空を眺めるぐらいの余裕がないと、煮詰まっちゃうのにね。日本テレビにいた当時、僕の担当は『11PM』というエンターテインメント番組でしたから、空を見てもらうにも星座の話ではしょうがないし、何かいい素材はないかなと模索してたんです。そんな時に、たまたま本屋さんでUFOの本を見つけてね。読んでみると、宇宙人が空飛ぶ円盤に乗って、遠い宇宙から地球にやって来ている、と書いてあるじゃないですか。こりゃいいや! と思ったんですよ。それがすべての始まりでした。

──先駆者として苦労されたことは?

矢 まず、撮影自体が大変でした。全部が生放送って時代だったからね。カメラの重さも大きさも半端じゃない。外に持ち出すことなんか想定されていないんだもの。それを屋上まで運んで、UFOなんぞを撮るっていうんだから、そりゃえらい騒ぎだった。技術のおエライさんからはキチガイ扱いされるし、「宇宙人」ってあだ名は付けられるし(笑)。

──サイゾー読者は『木曜スペシャル』のUFO番組で育っている世代なんですが、あの番組はどうやってつくっていたんですか?

矢 『木曜スペシャル』のUFO特番は、僕個人の「作品」なんです。あの当時、ほかの人もUFO番組をつくっていましたけど、僕のつくり方は特殊だった。企画、構成、撮影からナレーション原稿の作成まで、すべてひとりで仕切ってました。編集なんか、3カ月こもりっきりでやりましたよ。いわば手づくりだったから、あの独特のドライブ感が出たわけで、今のテレビ業界のような完全分業制では、再現できないでしょうね。あの当時だから、ああいうつくり方が許された。今のつくり方──まあ、当時もほとんどのディレクターがそうだったんだけど──は、まず結末ありきで、それに向かって都合のいいように構成するでしょう? でも、僕はそんなことはしなかった。僕は、自分の体験したことしか入れ込まない。だから、なんにもわからないままで撮影を開始するんですよ。情報を集め、証言者を訪問し、出演をお願いするところまで、全部そのまま撮った。演出やヤラセは一切なしです。僕が見て、感じたことを、視聴者がそのまんま追体験できるようにした。今のUFO番組で、そんなつくり方をしているものはないでしょうね。

──そこが矢追さんのUFO番組と、ほかの凡百の番組との決定的な差だったんですね。感動です。でも、そういう異端的なやり方、よく通りましたね。

矢 「宇宙人」のやることだから仕方ないって、あきらめてたみたいですよ(笑)。もちろん、高視聴率という結果を出していたから可能だったわけですが。

──昔は高視聴率を獲っていたUFO番組ですが、今ではすっかり下火になってしまっています。何が原因でしょうか?

矢 ひとつは、世の中のドキュメンタリー番組が、つくり込みすぎるようになったからでしょう。演出とリハを徹底したら、そりゃいい絵は撮れるかもしれないけど、臨場感はない。つまり感動がないでしょ? 管理された中で管理されたモノをつくろうとする、その姿勢が制作物をつまらなくしてるんじゃないかな。効率的につくったものが、面白いわけないですよ。つくり手が「空を見せたい」と思ってつくるのと、「視聴率が獲れさえすればいい」と思ってつくるのでは、出来上がりに差があって当然です。

──現代社会の問題点が、そのまま映し出されているようですね……。

矢 UFOというと、必ず躍起になって否定する人がいるんですが、それはある意味、当たり前のことなんです。人間とは本来保守的な存在で、常識の範疇から外れたものが出てきたら、とりあえず否定しておいたほうが安閑としていられる。現代社会は、特にそう。自分の立ち位置からは、たったの一歩も踏み出そうとしない。上から下までみんなそう。だから、社会が停滞する。地球という狭い入れ物の中で、自分で自分の首を絞め続けている。そんな人間たちを、宇宙人はどう思ってるでしょうね。きっと、すごくバカに見えてるんじゃないかな。僕は、自分が宇宙人になったつもりで、UFOから下界を見てごらんよ、と言いたい。そういう視点を持たずして、地球環境や国際問題を語ってもダメなんですよ。少し引いた目で、社会を、そして自分自身を見るというのは、とても大切なことなんです。今を生きる皆さんには、ぜひとも「宇宙人の視点」を持ってほしいですね。
(門賀美央子│インタビュー・構成/田村昌裕│写真/「サイゾー」5月号より)

矢追純一(やおい・じゅんいち)
フリーテレビプロデューサー・ディレクター。1935年、旧満州生まれ。中央大学法学部卒業後、日本テレビに入社。『11PM』や『木曜スペシャル』などの担当ディレクターを務め、日本にUFO/超常現象ブームを巻き起こした。フリーになって以降は、番組制作はもちろん、執筆や講演活動、「宇宙塾」や「癒し塾」(ヒーラー養成特別講座)の主宰など、マルチに活躍している。公式サイト

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