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『青春くん』とがしやすたか ヤンサンと編集者問題を語る(前編)

togashiyasutaka00.jpg撮影/佃大平

 今年7月31日に、21年間の歴史を閉じた「週刊ヤングサンデー」(小学館以下、「ヤンサン」)で、19年にわたる最長連載が『青春くん』だった。だが、ほとんどの作品が他誌へ移籍する中、ヤンサン休刊とともに連載は終了。そんな同作の作者・とがしやすたか氏は雑誌の終了、はては何かと話題となった小学館のマンガ編集者を、どのように見ているのだろうか──?

──今回はいろいろお伺いしたいことがありますが、まずは『青春くん』がスタートするまでの経緯を教えていただけますか?

【とがしやすたか(以下、とがし)】 「劇画悦楽号」(サン出版/休刊)とかのエロ雑誌に『タダマンくん』『コウビくん』とか、しょ~もない4コママンガを描いていたのを、「ヤンサン」の編集者が見て、声をかけてくれたんですよ。僕ってマンガ家にしては珍しく、持ち込みしたことなくて、営業ゼロ。『青春くん』の連載が終わったときは「初営業かな」と思ったけど(笑)。

──『青春くん』では、下品な妄想に耽ったり、オナニーばかりするキャラクターが登場しますが、(筆者みたいに)「これは俺だ!」と感情移入する読者も多いようです。

【とがし】 そう思ってくれていたらうれしいんですけど、逆に「本当の俺の姿だから見たくない!」って人もいるんじゃないかな? 高校生の頃に2コ上の先輩がエラそうなこと言ってるのを感心しながら聞いてたけど、今考えたらバカなこと言ってたなぁとか、10代で「もうエッチをした」とか「まだしてない」とかで自慢したりするのって、10年もたてば大したことじゃない。そういうことを描きたかったんですよ。

──その原風景こそ、僕らにとっては『三丁目の夕日』(西岸良平/小学館)的なものだったりするんですけどね。

【とがし】 そうなのかも(笑)。『三丁目の夕日』って、そこだけ抜けちゃってるんですよね。本当はそれも当たり前の日常なのに、あまりにも描かれてないじゃない。「そこを描いている僕は、ほかの下ネタマンガ家と違う」って勝手に思ってるんですけど(笑)。

──その連載も19年続きました。「ヤンサン」はマンガを描きやすい環境でしたか?

【とがし】 自由に描かせてもらえたよ。大きな問題って言ったら、連載中”ホモ”って言葉を使ったら同性愛の団体から抗議が来たくらいかな。結局、「”ホモ”は侮辱的表現だから”ゲイ”に統一しろ」って編集部に言われたから、「じゃあ”モーホ”は?」って聞いたら、それもダメ。僕は(ゲイ雑誌の先駆け)「さぶ」(サン出版/休刊)でも仕事をしていて、「さぶ」ではオッケーでした。でも、「こうした”言葉狩り”は、メジャー誌から始まるんだな」って思いましたね。

──小学館以外でも多くの出版社で描かれていますが、会社によって編集者の違いというのはあるのでしょうか?

【とがし】 あくまで私見だけど、小学館や集英社と比べると、講談社は編集者が強い気がする。マンガ家の原稿に結構手を入れるからね。某有名マンガなんて、毎回3人の編集者に手直しされてたみたいだし(笑)。マンガ家と編集者が集まる酒席でも、講談社は編集者のほうが強い。マンガ編集者が接待でよく使うカラオケパブが新宿にあったんですが、小学館や集英社の場合、マンガ家が楽しそうにカラオケで歌って、編集者がもてなしている。だけど、講談社は編集者が歌って騒いで、マンガ家はひとり、またひとり帰っていっちゃう(笑)。まあ、10年くらい前の話だし、ハシゴをして、朝8時くらいの話だから、ワケがわからなくなっていたのかも。
(後編につづく/構成・大貫眞之介/「サイゾー」11月号より)

●とがし・やすたか
1959年11月18日、東京都生まれ。小池一夫主宰の劇画村塾3期生(同期には山本直樹、原哲夫、堀井雄二など)を経て、85年、とってもエッチなグラビア誌でデビュー。代表作に『青春くん』(小学館)、『竹田副部長』(集英社)など。

男のいろは 1

この軽薄で愛すべき世界観。

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最終更新:2008/11/06 11:23
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