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アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】第3幕

『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む”多角的フェチズム”

(C)『リンダ リンダ リンダ』パートナーズ

アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。

●今回のお題
王道的傑作に潜む”多角的フェチズム”
『リンダ リンダ リンダ』
監督:山下敦弘/主演:ペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織(Base Ball Bear)

 学生時代に、クラスの女の子を、ただ単に、遠目から、ボーっと観ていた時、なかったですか? 特にその子が好きなわけじゃないんですが、女の子達がキャッキャしながら、遊んでるところを観ているだけ。

 その短いスカートひらひらや、黄色い声(最近、こういう表現聞かないね)が、五感を刺激し、 録画したくなっちゃう気持ちを(ストーカーかい)、脳のハードディスクだけに収めておくという理性の葛藤。着エロ撮影会で後方からカメラを構え、「くぅ~~前、見てぇ! 順番待てねぇ!」って言ってる時の見ていたい感情とはまた別な、「もうちょっとスカート上げてください! はいはい! いや、もう4センチ!」とか、ピンポイントで焦点追及したい欲望とはまた別な、ほんわかと、「制服の女の子達の全身が動き、活きている姿を見ているたけで十分なんです~~」というような、理性のマインド・リラクゼーション。下半身のハートフル・リフレクソロジー。

 ……秀作な映画を観ながら、そんな気持ちに浸れる、お勧めの作品が、この王道傑作アイドル映画とも言える『リンダ リンダ リンダ』です。

sundome02.jpg『リンダ リンダ リンダ』
高校の文化祭に向けてバンドを組んだ4人の女子高生。ところが、ボーカルが抜けてしまい残りの3人は途方にくれることに。ひょんなことから一人の韓国人留学生がボーカルとして加入することになったが、本番までは残り2日……。「何の曲やる!?」「椎名林檎は2日じゃ無理!」と、そんなわけで急造女子高生バンドはTHE BLUE HEARTS往年の名曲「リンダ リンダ」に挑むことになった。
(C)『リンダ リンダ リンダ』パートナーズ
【DVD情報】『リンダリンダリンダ』/税込価格 ¥5,040/発売元 バップ/発売中

『スウィング・ガールズ』の驚異的な大成功により、”女の子の集団挑戦MOVIE”が、これでもか! ってくらいこの世にはびこりましたが、その中でもなんてことない文化祭のBAND演奏を描いた秀作が『リンダ リンダ リンダ』なんです。監督は『天然コケッコー』で、夏帆りんを”平成で一番浴衣が似合う女の子”に仕立て上げた山下敦弘監督。最高です。

 物語は、女の子BANDの結成から本番を迎えるまでだけの内容。以上。

 これ以上、物語に触れなくていいくらい、ど直球な内容が売りです。

 映画の方はかなりの割合で”引き”の画角で構成されています。雨やどりのシーン。狭い部室での練習シーン。廊下の向こうから一生懸命になってる片思いの子をボーっと見てしまう、そんな感覚のカメラワークがピュアな少年魂を思い出させます。遠くから見る魅力……と言っても、出演の女の子たちが、みんなジャイ子みたいな顔かっていうと、全然違う。

 違うも何も、今では大物ばかり。ヴォーカルは、映画公開当時は知る人ぞ知るというレベルだった韓国の女優さんペ・ドゥナ(それが公開の翌年に、怪獣映画ファンを総立ちさせた永遠の名作『グエムル-漢江の怪物-』で、勇敢に戦った、あのアーチェリー姉さんへと出世!)。

 ギターには、今や飛ぶ鳥落とす香椎由宇。制服が似合うんですよ! これがまた! 発泡酒売ってる場合じゃないよ!

 ベースは、関根史織……誰? って思うかもしれませんが、今、人気急上昇のBAND”Base Ball Bear”のあの子ですよ!

 でもって、ドラムス! 言うまでもない”ミス・バトル・ロワイアル””伝説の制服美少女”(個人感情入れ過ぎ)こと、前田亜季。

 これだけグラビア的にもガンガンいける4人を! 贅沢にも! ”引き”の画角がほとんどな映像で展開していくわけです!

 片思いの女の子を遠くなら見つめるようなピュアな時間の中、たまに魅せるアップの瞬間。香椎由宇がトイレで鏡を見るシーンなんて、ゾクっと来ますよ。”見てはいけない女の子だけZONEに侵入してしまった!”みたいな疑似体験&美少女大画面堪能! こりゃ儲けたわい♪

 とはいっても、BANDのお話なのでLIVEのシーンはもちろんあるのです。が、ミュージックPVの欠片もない、これまた”引き”の映像。あくまでも視聴側はこの4人のステージを体育館で観ているの学生のひとりとして、もしくは同じ軽音楽部部員として、袖から堪能しなさいというカメラワークに、演奏も演技の1つでしかないという監督のこだわりに、拍手を送りたくなるLIVEシーンなのです。マッチ・ヨっちゃん・トシちゃんの『ハイティーン・ブギ』のラストのLIVEシーンとはワケが違います。

 しかも! 私的に、ド刺さりだったのが、雨の中をびしょ濡れでLIVE会場の体育館にやってきたため、4人とも裸足だったこと。濡れた制服に裸足。こりゃストライクでしょ! 先日も映画関係者に言われたんですが、「梶野監督作品って、『ピョコタン・プロファイル』も、過去の作品もパッケージが必ず”裸足+制服”ですよね? さすが違和感マニアですね!」……好きなんですよ、”ビキニ+ソックス”とか違和感もの。(おいおい)

 彼女達の奮闘映画としても、女の子遠目鑑賞動画としても、いろんな観方が堪能できる傑作であります。あ、男声PUNK&ROCKを、女の子が歌うという声フェチにもお勧めです♪
(文=梶野竜太郎)

リンダリンダリンダ [DVD]

どぶねずみみたいに美しく。

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●かじの・りゅうたろう
映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。2008年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。今後の展開に『メンタイマン』他がひかえている。現在、トークライブ『オビカヂドカン!』に出演中。
詳しくは→http://mentaiman.com/

●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX
【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内
【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

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最終更新:2009/05/22 13:11
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