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日本では46年ぶりの皆既日食

日食を撮る写真家・有高唯之が語る皆既日食の魅力とは!?

aritaka01_0708.jpg有高唯之写真展『NAVEL』

 本誌「月刊サイゾー」や「ブルータス」「スイッチ」など、(サイゾーを含めた)オシャレ系カルチャー誌で活躍中の写真家・有高唯之氏の個展『NAVEL』が東京・青山の「PLSMIS」で開催されている。今回の個展では、有高氏のライフワークであるという”日食”をテーマに、06年のトルコや08年の中央アジアの秘境アルタイ共和国で撮った、日食とそこに集まった人々の写真を展示している。

 日食といえば、今月7月22日に日本のトカラ列島~奄美諸島付近で、日本では46年ぶりに皆既日食(太陽が完全に月に隠れる状態)が起こり、それを6分以上も体験できるということで話題になっている。そこで、有高氏に今回の個展について伺いつつ、日食の魅力を語ってもらった。

――今回の個展では、日食そのものだけではなく、日食が起こる前後の周囲の風景なども展示されていて楽しいですね。展示に際して何か意識されたんですか?

「本来なら日食は、体感するのが一番だと思うんです。360度、地球が真っ暗になることだったり、気温が10度くらい下がっていきなり寒くなったりっていうのはなかなか表現できない。でも写真家としてなにができるかを考えたときに、日食だけを寄りで撮るんじゃなくて、まわりの風景も合わせて撮ってあげることかなと思ったんです。それを写し取ることで、ただの記録ではなく、関係性の変化というか……物語が撮れればおもしろいなって思ったんです」

aritaka02_0708.jpg同じ場所で撮られた写真。
景色が一瞬で闇に包まれる。

――今回、46年ぶりに日本でも皆既日食が起こるということで、かなり前から話題になっています。有高さんにとって日食の魅力ってなんでしょう?

「一番最初に、アフリカのザンビアで日食を見たんですが、あたり一面が真っ暗になって、昼間なのに星がギラギラ瞬いてて、まるで別の星に来たみたいな錯覚を受けたんです。もうこんな情景、そう何度も見られないだろうと思って人生観がいっきに変わった。

 それと日食って天気が重要で。雨が降ったら見られないですからね。前回トルコに行ったときもカッパドキアで撮りたかったんだけど、一週間くらい前から天気予報を見ていて、どうも天気が良くなりそうもなかった。それで結局、あきらめて別の場所に行ったんです。それからアルタイのときもちょっと雲があって。そういう環境の中でその瞬間が来るのをずっと祈るように待ちかまえている。三脚にテルテル坊主吊るして待ち構えたりね(笑)。そういう普通では経験できないような非日常的な経験を実際に肌で体感することは貴重なことだと思いますね」

 さて、7月3日に行われたオープニングレセプションには、200人を超える人が来場し、各々、氏の人柄がにじみ出るかのような優しい写真と神秘的な日食の世界に魅せられていた。『NAVEL』という、少し聞きなれない横文字のタイトルが冠された今回の個展。そのタイトルにはどんな思いが込められているのだろう。

「今回の個展のタイトル『NAVEL』は”へそ”っていう意味。日食って、太陽と月と、それから地球も一列につながるのが、へそみたいだなと思って。まず今回の個展が自然と人間が結びつくような場になればいいなと思ってます」

『NAVEL ARITAKA TADAYUKI PHOTO EXHIBITION』
会期 2009年7月3日(金)~7月12日(日)
時間 11:00~21:00 無休
会場 PLSMIS 港区南青山4-17-4-1F/03-6459-2251
入場無料

イベント
『BAR 有高』
7月10日(金)19:00から展示会場にてバーを開店。お酒を飲みながら写真、庭を眺めるBAR TIME。入場無料。
『日食トークセッション』
7月12日(日)18:00から有高唯之氏と日食ガイドのJIJICO氏、ECLIPSE GUIDE NETの編集長・さとう葉氏との日食トークセッションも開催。入場無料。

●ありたか・ただゆき
1971年生まれ。写真家M・HASUIのアシスタントの後、フリーに。雑誌「スイッチ」「バァフアウト!」「サイゾー」などのカルチャー誌や風景、ドキュメンタリー、ファッション、広告、CDジャケットなど幅広い分野で活動中。オフィシャルサイト

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最終更新:2009/07/08 18:46
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