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【第8回】小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談

伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」(中編)

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■前編はこちら

──でも、総量をあらかじめ決めるってのも、ちょっと勇気がいりませんか? もしかしたらもっと上にいけるかもしれないのに、その可能性も奪ってしまうというか……。

 さんまさんとか見てると、まだ売れたい感じするでしょ? すげえなって。紳助さんくらいになってもまだ不安があって、「えー、なんで?」って思うじゃん、俺なんかからしたら! そんな地位にいっても不安になるんだったら、もう売れる気ないわ俺……って。俺、みのもんたさんみたいに、息するように芸能界にいるのムリだし……。絶対、みのさんにとって芸能界は銀座のお店の延長なんだろうな、きれいな人もいっぱいいるし……。

――なるほど。それはかなり分かります。

 あの~、満たされるパーセンテージって以前と変わりました? かつて孤独だった時代と、こうして雑誌に連載を持ったりとか、人に会ったりしている今と。今も、瞬間瞬間は満たされたとしても、落ち着いて家にいるときとか、寝る前とか、どうですか?

──えーと、中学校のときに引きこもりをやってまして、その当時は本当に毎日すさまじい焦燥感と虚無感に襲われて「生まれてきてすみません」とか言ってベッドで泣いてたんですけど、さすがに今はそれが月に2~3回くらいに減ってますよ! だから満足パーセンテージも……あれ? あんまり上がってない! 上がってないです!

 そう。それはやっぱり慣れみたいなものってあるじゃん。「死にたい」って言ってる自分に慣れてくるでしょ。

──あっ、確かに「死にたい」に昔ほどの緊迫感は無くなってます!

 ”死にたい慣れ”してくるから、「死にたい死にたい」って言ってるときに、心のどっかでは「そうでもねえな」って感じになってくるでしょ。年齢的な慣れとかで、その折り合いのつけ方はできるようになってくるんだよ。だけど、なんかあんまり満足度のパーセンテージは、俺ん中では全然変わんねえんだよなー。

──もっと根本的な問題なんですかねー。世の中にはそういう鬱屈とした感情のパーセンテージが低くて、物事をエンジョイすることに長けている人たちがいて、その人たちって毎日すごく楽しそうに暮らしているじゃないですか。もう、羨ましくて軽く憎くすらなって、もう「悩まないってバカか! 楽しんでる人間全員死ね!!」みたいに思ってきて……伊集院さんもそうですよね!

 あはは! 俺はそこまでじゃない! けど、自分でもそういう不安定なところ、「ホントに中二気質!」って思うの。自分のことは決して利口だと思ってないんだけど、自分よりバカな人はすごくいっぱいいると思ってる感じ、分かります?

──中二病だ! 分かります!

 こんなにバカな俺がギリギリのところで踏ん張ってるのに、なんで俺より頭悪くてお前そんなことしてられんの? みたいな。これは、ナルシストなのかどうかもよく分からないよね。だって自分の自己評価としてはダメな人で、劣等感はすごいんだもん。それなのに、俺よりバカな人に対して優越感とも違う、もっとイヤなものを持ったりする。変なバランスだよね。

──危ういバランスですよね。そのせいか私、友達ってほとんど存在しなくって、うまく輪に入れないというか……たまに輪に入ってキャッキャと楽しくやれていても、一回自分を俯瞰から見ちゃって、「あたし何やってんだろう」みたいな、こう……。

 それはね、たぶん投げちゃった石のせい。昔キャッキャキャッキャ遊んでるやつらに、「楽しそうにしやがって、何も考えてないんだろ、お前ら!」って投げちゃった石が、時間差で自分に当たるんだよね。

──あー! なるほど!

 石が当たって「アッ! あの時に俺が投げた石だ!」って。それで「今、俺、何も考えずに遊んでた……」ってことに気づいて、急に怖くなってくんだよね。

──そこですごく冷静になってしまって、急に作り笑いになっちゃったり……。

 そうそう。……俺ね、ナンシー関さんのエッセイ集のタイトルがすごい好きでさ。必ず「なにをいまさら」とか「なにさまのつもり」とか入れるでしょ。俺も、あの感じでいかないと、がんばって立てないの。「お前が一番ダメだ!」って言われるより先に「分かってるんです、これは僕のルールだからやってるんです」って提示する。だから、自分の誕生日に若手とワーッて飲み行っても「みんなで金出しあって、(出した金額が)一番上の一人と一番下の一人で会計15万を割るけど、お前らいくら出す?」とかルールを作って……。

――誕生日パーティーがえらい緊迫した雰囲気に! 楽しめない!

 ぜんぜん楽しくなかった(笑)。でも俺、ルールを決めなきゃ遊べないんだよねー。
後編につづく/取材・構成=小明)

●伊集院光(いじゅういん・ひかる)
1967年、東京都生まれ。タレント。『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ/月曜25時~27時)のDJとして活躍中。エッセイ『のはなし』『のはなしに』(ともに宝島社)、DVDシリーズ『伊集院光のでぃーぶいでぃー』(ポニーキャニオン)も続々発売されている。

■DVD

■本

●小明(あかり)
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著アイドル墜落日記(洋泉社)での自虐っぷりが一部で評判を呼んでいるとかいないとか。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/

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最終更新:2018/12/19 15:06

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