日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」(前編)
【第13回】小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談

蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」(前編)

akari_chono01.jpg

 モテない、金ない、華もない……負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第13回のゲストは、書籍『会社に負けない喧嘩の仕方』を刊行されたプロレスラー・蝶野正洋さんです!

[今回のお悩み]
「喧嘩の仕方を教えてください……」

──『会社に負けない喧嘩の仕方』読みました! 私は喧嘩が苦手で、今日は蝶野さんに喧嘩の仕方を教えていただきたく……。

蝶野 あ、俺もきらい。

──えっ!

蝶野 喧嘩なんて、しない方がいいよ。

──……え~っと、同書では、『同期とは早めに喧嘩せよ』っていうことで、新日本プロレス入門初日から橋本真也選手と喧嘩をした話を書いていらしてたんですけど……。

蝶野 そんなこともあったね。

──私も他人に対してそのくらい強く出られたらいいんですけど、トラブルがあった時に何か言わなきゃと思っても、「この人とは今後も付き合わなきゃいけないしなー」って思うと何も言えなくなっちゃって、気づいたらストレスがたまって、フェードアウトの繰り返しで……。

蝶野 それ、普通だよ。俺なんかもそうだよ。俺も、カッとなったことをすぐに口には出さないで、溜めて溜めて。で、ある程度、マナーの部分を越しちゃったやつに対しては怒る。たぶん皆そうだと思うよ。自分が持ってる不満っていうのは、相手も同じように、違う立場で不満を持っているはずなんだよ。

──なるほど、確かにこっちが「オラ、エ~!」って思ってたら、向こうもそう思ってるはずですからね! ところで私もフリーなので、この『会社に負けない喧嘩の仕方』っていうタイトルにはすごく惹かれました! アイドルとして売れな過ぎて事務所を辞めて『アイドル墜落日記』(洋泉社)なんて本も出しちゃったので、決して円満退社とは言えないし……。いつも「こんなこと書いて、あの事務所に怒られないかな」と不安なんです。

蝶野 俺も(1月末の新日本プロレス退団は)そんなに円満退社じゃないよ。会社的にはボロ雑巾みたいになるまで使って、定年まで仕事をさせて使いものにならなくなったときに、初めていらなくなるからね。でも、その状況で辞める人なんて、今、いないから(笑)。会社は、思ってるほど辞めていった人間のことを気にしてないよ。「もういない人間より今の戦力を」って考えてるから。

──なるほど。ちょっと心が軽くなりました! 事務所の人、私のことは忘れてください! それと、この本にも『自己プロデュース力』について書かれてましたけど、私それも失敗して……。事務所を辞めてすぐライターの仕事を始めたので、落ち着いたら徐々にアイドルの仕事もしたいなーと思ってたんですけど、もう、外に出たときにどう振舞ったらいいか分かんなくなるし、外見的な華もどんどん減るし、全然アイドルの仕事も来ないんですよ……!

蝶野 大丈夫だよ、表に出てたらまた華も出るって! でも、グラビア、ものすごい人数いるわけでしょ? すごいよね。

──だから雑誌に載せてもらうためには、今までやってなかったことをやらなきゃいけないとかで、「じゃ、脱いじゃおうか」みたいな流れは必須で。蝶野さんはプロレスで海外に遠征をされてたときに、「はじめて自分が商品になれて嬉しかった」って書かれてましたけど、私はグラビアをやって自分が商品だったときに、嬉しい反面すごく悲しいなって思っていて。自分が商品としてできることっていったら、服を脱ぐとか、そういうことしかなかったから、会社にお金が入っても、自分の価値がドンドン下がってるなっていうのも分かって。「やりたくない」って思っても、「社長に嫌われたらいけない」と思って強く出られなかったり……。そうやって人間関係をこじらせるより、いっそさっぱり喧嘩できた方が、わだかまりが残らなかっただろうなぁ、と思います。

蝶野 さっきも言ったけど、人を売ってるプロダクションとか、プロレスの業界とか、そういう会社の基本は、「ボロボロになるまで使い切る」。それはもう、しょうがない。そういう方針っていうのは、多分どこも一緒だと思う。そこでどう生き抜くかだよね。実際、俺も「こういう仕事はしたくない!」っていうものはいっぱいあって。バラエティーとか、出るの大嫌いだったから。

──えー! 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』(日本テレビ)のとか、すごい楽しく見てましたよ!

蝶野 俺はリングの外で体を使ってアピールすることはやってなかったんだけど、マネージャーがもう仕事を請けちゃってて、どうしようもなくって。まぁ、今はプロレスがテレビであまり放映されていないから、そういうところに出ることでプロレスのアピールをしよう、と。
後編につづく/取材・文=小明)

●蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)
1963年、アメリカ・シアトル生まれ。84年、「新日本プロレス」入団。アントニオ猪木の付き人、海外遠征などを経て「闘魂三銃士」としてブレイク。94年からは黒をイメージカラーにヒールに転じ、抜群の存在感を発揮。10年1月、新日本を退団しフリー転向。

●小明(あかり)
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/

会社に負けない喧嘩の仕方

オラ、エ~!

amazon_associate_logo.jpg

小明の「大人よ、教えて!」”逆”人生相談バックナンバー
【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」
【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」
【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」
【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」
【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」
【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」
【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」
【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」
【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」
【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」
【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」
【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

最終更新:2018/12/19 15:04
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

山崎製パンで特大スキャンダル

今週の注目記事・1「『売上1兆円超』『山崎製パ...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真