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「観光にさらなる打撃」またまたサーチャージ値上げ! 日本の航空業界はどうなる!?

anaairplane000.jpg気軽に海外旅行なんて夢のまた夢!?

 中東情勢の混迷や、福島第一原発の事故を受けての世界的な「原発離れ」による原油価格高騰のあおりを受けて、飛行機代がまた上がる。全日本空輸(以下、ANA)では、6月発券分から国際線の燃油サーチャージを値上げすると発表。上げ幅は1,000~7,500円程度で、これにより運賃に上乗せされるサーチャージ(片道1人分)は、北米やヨーロッパで2万5,000円(現行1万7,500円)、ハワイで1万6,000円(同1万1,000円)となる。

 また、日本航空(以下、JAL)でも6月から同規模の値上げを行う予定で、これによるサーチャージは北米やオセアニアで2万5,000円(現行1万7,500円)、グアムで8,000円(現行5,000円)、タイやシンガポールで1万3,000円(同8,500円)となる見込み。さらに、外資系航空会社も軒並み値上げを表明している。

 各航空会社が一斉にサーチャージの値上げに動くのは、2月の引き上げ(500円~3,500円程度)に続き、今年に入り早くも2回目。路線によっては「昨年末の運賃より1万円以上高くなる便も少なくない」(都内旅行代理店)という。

 ローコストキャリア(LCC)と呼ばれる格安航空会社が国内にも急速に浸透しつつある中、今回の値上げがそうしたニーズ拡大に逆風になることはないだろうか。

 これについて、今回の値上げで打撃を受けるのは「LCCよりは、正規料金に近い価格でビジネス客を相手にしている大手キャリアのほうが大変」と言うのは、航空専門誌「エアワールド」編集長の竹内修氏だ。

「LCCの利用者は、多少値上げされても他に選択肢はありません。その反面、これまでビジネスクラスで社員を出張に行かせていた企業は、ただでさえ経費削減が求められるのに、これ以上値段が上がるなら出張自体の数を減らすか、出張をするにしても価格の安いエコノミークラスの利用が増えるでしょう。こうした動きが進めば、エコノミーでも高いからLCCを使えという流れにもなりかねません」

 さらに3月の震災以降、海外からのビジネス客が減少を続けていることも大きな不安要素だ。

「従って、こうした高価格ゾーンを収益の柱としている大手エアラインにとっては苦しい展開が予想されます。LCCとしてはむしろ、富裕層から流れ込んでくる新たな顧客層が見込めるかもしれません」

 総じて”負け組”に甘んじていると言われている航空業界だが、その中でも業態による勝ち負けの二分化が予想されるというわけだ。

 また、昨年秋から国際便の運行が一部復活し、「成田より便利な国際空港として今後に大きな期待がかかる羽田空港」(前出の旅行代理店)に、こうした値上げの動きはどんな影響をあたえるのだろうか。竹内氏が言う。

「羽田で国際便が認可されたといっても、北米便やヨーロッパ便の発着は早朝や深夜の時間帯に限定されています。出発が早朝6時ならチェックインは4時ごろまで。となると電車やバスはまだ走ってないので、ホテルに前泊する必要がある。しかも行き先がニューヨークの場合、羽田を6時に出ると時差の関係で到着が朝5時ごろ。あまりの不便さに利用者数は伸びていません。それどころか、欧米のエアラインの中には事実上の撤退を検討している会社もあるという噂です」

 各社とも表向きは大震災の影響による「一時的な運休」としてはいるが、利用客が伸びず、儲からない羽田の国際便から、これを契機にフェイドアウトしたいというのが本音のようだ。今回の値上げがこうしたネガティブな動きにさらなる拍車がかかるということなのか。

「ただ、JALやANAと提携関係にあるエアラインは、契約上の問題で自社の一存で撤退するわけにはいきませんし、将来の羽田の発着枠の拡大をにらむと、今ここでフェイドアウトの決断をするのは難しい。今回の値上げで即撤退や運休を決めるエアラインが出てくることはないと思いますが、このままサーチャージが高い水準にとどまれば、前述したように、羽田がメインターゲットにしている企業の海外出張者の数も減少します。苦しい状況になることは間違いないでしょう。逆に、値上げをしない、あるいはしても小額の中東系航空会社は有利になるかもしれません」

 また、今回の値上げで打撃をこうむるのは、航空会社よりも観光業界全体だと竹内氏は予測する。

「今年は稼ぎ時のゴールデンウィークが震災の影響で低調でしたので、ホテルや旅館はなんとか夏休みで盛り返したいと考えていたはず。今回の値上げで出鼻をくじかれた感は否めません。震災で激減した中国人旅行者が最近になってようやく戻ってきたといわれていましたが、彼らの旅行形態は大半が極めて低価格のパックツアー。6,000円、7,000円の値上げは正直痛い。観光業界としては間違いなく逆風でしょう」

 原油価格が上がればチケットの値段も上昇し、震災やテロが起これば不安感から利用者は激減する。一見、華やかに見える航空業界が、実は極めて不確かな要素に左右される”水商売”的なビジネスである実態が、今回の値上げであらためて露呈したと言えるだろう。
(文=浮島さとし)

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最終更新:2013/09/13 13:14
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