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元木昌彦の「週刊誌スクープ大賞」第143回

ジャイアンツ原監督とナベツネ・清武を巡る泥仕合「巨人軍は球界の紳士たれ」の空しさ

 夜回り先生の水谷修も、中高生の間でドラッグが流行ってきていると肌で感じていると話している。

「いまのこどもたちの5割は、違法薬物について身近で見聞きしている。そのうちの25%、4人に1人が誘われています。(中略)合法ドラッグというネーミングのため、違法ドラッグに比べれば効果が弱く安全だと考えてしまうのです。優秀な学校に通う高校生たちも、進路に関する悩みや受験勉強の憂さ晴らしに、『ちょっと試してみようかな』という軽い気持ちで手を出してしまう」

 わが子が薬物をやっているかどうかを見極めるには、どんなサインに注意したらいいのか。

 臭いがあるので、必ずお香を焚いて臭いをごまかそうとする。灰皿に粘性の強い真っ黒な灰が入っていればタバコではなく吸引系の草。

 覚せい剤系のドラッグを使うと毒物を体外に出そうとして体が猛烈に水分を欲しがるから、部屋にペットボトルがズラーッと並んでいる、寝汗でシーツがビショビショになっていたら要注意だそうである。

 先の水谷は、ドラッグでこどもの脳がどれほど壊れているかわからないから、自分のこどもがドラッグをやっていたとわかったら、各都道府県にある精神保健福祉センターの窓口で相談しろという。

「脳も神経も一旦、壊れてしまえば、再生不可能。壊れた状態で、その後の人生を生き続けなければならないんです」(水谷)

 こういうときこそ政治の出番なのだが、政治家も消費税増税問題によって、脳が壊れかかっているから期待しても無理だろうな。

 さて、文春がまたまたやってくれた。

 今週は原辰徳巨人軍監督が元暴力団員に1億円払っていたという、これまた仰天スキャンダルで文句なしのグランプリ。文春は2週連続で完売したそうで、これは10数年ぶりだという。目出度いことである。

 まず、事件の経緯から見ていこう。

 きっかけは一本の電話だった。09年4月に巨人軍の球団事務所に山本正志(仮名)と名乗る男から電話が入り、山本は電話を受けた球団職員に「原監督に渡っている、ある女性の日記を返してほしい。(中略)返してくれないなら、騒ぎを大きくする」と通告した。

 この電話に続く8カ月にも及ぶ脅迫事件が、封印されていた原監督の醜聞、暴力団関係者による1億円恐喝事件の存在を浮かびあがらせたのだ。

 それは約24年も前のこと。

 当時のジャイアンツは王貞治監督が率いていた。中畑清や篠塚利夫、吉村禎章らが活躍し、中でも“若大将”の愛称で親しまれていた4番バッター原辰徳が人気の中心だった。

 新人王、3年目にはMVPに選ばれるなどスター街道を驀進し、86年には5歳年上の明子夫人と結婚、88年には長男も誕生している。

 そんな幸せな生活の一方で、別の女性との間に重大な問題を抱えていたのである。

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