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視聴者が求めているのは徹底したリアリティー? 夏ドラマ初回レビュー(後編)

■「茶髪OK」の警察学校にリアリティーはあるのか!? 『ビギナーズ!』に難色

 ジャニーズ主演ドラマが続く「木曜ドラマ9」枠の今期は、藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)主演の『ビギナーズ!』を放送。警察学校を舞台にした青春ラブコメディとのことだが、ヒロインに旬の女優・剛力彩芽を置くも、初回8.5%と撃沈してしまった。

 感想を見ると、今時の髪形の藤ヶ谷に対し「ジャニーズは、茶髪で警察学校に入るような中途半端な役作りなんですか? 以前、三浦春馬くんでやった警察学校のドラマ(『陽はまた昇る』<テレビ朝日系>のこと)はみな黒髪短髪でした」「ベタ過ぎる上に、ドラマの作りが大雑把過ぎて入り込めない」という厳しい意見も多く、今後、どれだけリアリティーを出せるかが課題の様子。

 また、校内での体罰や、生徒による覗きなどがコミカルに描かれているため、「警察学校がこんなにユルくてふざけてるなら、税金返してほしい! 明日、警察学校に問い合わせてみる!」と憤る女性視聴者も出現。年金不正受給問題や、増税などでデリケートな時期のせいか、人によっては警察学校への誤解につながる可能性もありそうだ。

 漫画が原作の『走馬灯株式会社』(TBS系)は、冒頭から怪しげな表情を浮かべる香椎由宇のアップと、その後ろで水滴を垂らす首吊り死体というショッキングな画からスタート。自分の一生の走馬灯のDVDを見られる会社を中心に展開していくのだが、初回放送時に早くもネットで物議が……。

 初回は、赤ん坊の時期に誘拐され母親がすり替わった男性が、その一部始終をDVDで見てしまうというストーリーであったが、視聴者から「物心付いてない時の光景が走馬灯に出てくるのって、おかしくね?」「視界が映像になるなら、瞬きがあるはず」などという意見が圧倒的であった。『ビギナーズ!』同様、リアリティーが問われてしまった同作だが、ドラマを見る上で「たかがドラマ」「作り物」だと割り切って見るか、細部までリアリティーにこだわるか。視聴者としてのスタンスを、あらためて考えてみてもいいかもしれない。

 ほかにも、AKB48・チーム4のメンバーを中心にフレッシュな顔ぶれが並ぶ『マジすか学園3』(テレビ東京系)や、関ジャニ∞の丸山隆平が女性経験のないサラリーマンを演じる『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(テレビ朝日系)、Hey! Say! JUMPの知念侑李やジャニーズJr.らが出演する青春ドラマ『スプラウト』(日本テレビ系)など、アイドル勢も多数活躍する夏ドラマ。今期、まだどのドラマも見ていない人は、一話完結で頭を使わずに見られる『GTO』や、『走馬灯株式会社』あたりから見始めてみてはいかがだろうか。
(文=林タモツ)

最終更新:2012/10/10 16:07
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