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時代劇大好きなギャレス・エヴァンス監督インタビュー

芸術的格闘技“シラット”による映画革命だ! ジャカルタ発のアクション大作『ザ・レイド』

the_raid_maddog.jpgこちら麻薬組織の最強戦士マッド・ドッグ(ヤ
ヤン・ルヒアン)。悪人顔だが、イコと共に本
作の過激なコリオグラフも担当している。

エヴァンス CGは使ってないよ。あのシーンは1ショットで撮っているように見えるだろうけど、実は3ショットを組み合わせたものなんだ。まず、マットを敷いた上に人が落っこちてくるショット。次に、落っこちた人の上半身が手すりに垂れ下がっているショット。そして反対側に下半身があるショット。その3つのショットをうまく組み合わせることで、あたかも手すりに当たって背骨が真っ二つに折れたように見えるシーンに仕上げたんだ。

──CGに頼らず、アイデアをたっぷり使ったわけですね。

エヴァンス そうなんだよ! これだけアクションシーンがあると、ボクだけのアイデアでは追いつかない。それで撮影監督や特撮担当といろいろと相談して、アイデアを練り合うんだ。「こーゆーシーンを撮りたいんだけど、どう?」「あーやれば、撮れるんじゃないかな」というふうにね。3人でいろいろアイデアを出し合って、撮り進めていったんだ。

──エヴァンス監督のプロフィールを見て気になったんですけど、デビュー作の短編映画のタイトルは『Samurai Monogatari』。よほど時代劇がお好きなようですね?

エヴァンス ボクは小さい頃から、父親が映画好きで、ビデオをよく借りてきて一緒に観ていたんだ。ハリウッド映画だけじゃ物足りなくなって、香港のアクション映画や日本の時代劇といった作品もすごく観て、アジアに興味を持つようになったんだよ。黒澤明監督はもちろん、溝口健二監督の『雨月物語』(53)も大好きだ。あと、ダイゴローが出てくるのは何だった? そうそう、三隅研次監督の『子連れ狼』(72)も忘れられない作品。それに子どもの頃にいちばん好きだったのは、サニー千葉主演の『戦国自衛隊』(79)。あれは時代劇にSFタイムスリップを合体させた、最高に面白いエンタテインメント作だったと思うな。1カ月前には小林正樹監督の『切腹』(62)も観たよ。これにも痺れたね〜。

──日本映画が大好きで、日活の『冷たい熱帯魚』(10)スタッフと組んで、北村一輝主演のバイオレンス映画『KILLERS』を製作することになったわけですか。

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