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週刊アニメ時評 第25回

「最初から優勝者はほぼ決まっている」水木一郎の苦言で波紋を広げる「アニソングランプリ」選考の内情

 別の関係者によると、「少なくとも準決勝段階にはほぼ優勝者は内定している。場合によっては、優勝者でなくとも、この段階でデビューが決まるファイナリストもいる」そうだ。

 つまり、「全日本アニソングランプリ」優勝者は、ほぼ各事務所・レーベルの意向であらかじめ決定されており、決勝戦における関係者以外の意見はあってなきが如し、という状況らしいのだ。歌唱力を重視する事務所・レーベルが獲得権を持っている年はそのような出場者がグランプリを獲得し、ビジュアル・タレント性を重視する年は……ということである。

 しかし、アニメソングとは本来裏方であり、いかにアニメの世界観を楽曲で表現するかがシンガーには求められるジャンルだ。水木の苦言は、そのようなアニメソングの、そして「全日本アニソングランプリ」の本来の目的を見失い、ただの新人アイドルオーディションの様相を呈してしまった今回の結果に対するものだったのだろう。

 だが、出場者本人には、なんの罪もないことは確かである。

「『アニソングランプリ』で優勝した人には何も責任はありませんし俺は大会委員長としてフォローしていますよ。頑張ってデビューしてアニソン界を牽引してくれたら嬉しいのは確かなことです。アニソン歌手を夢見ている人のためにもみんなに認められ愛される歌手になってほしいと心から願います」(Twitterより引用)

 そう水木も冒頭のツイートの後にフォローしているが、アニメソングシンガーとしてのデビューという夢をかなえた優勝者は、この逆境にへこたれることなく、胸を張って次世代のアニソン界を引っ張っていってほしいものだ。
(文=龍崎珠樹)

「週刊アニメ時評」過去記事はこちらから

最終更新:2019/03/01 18:30
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