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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.206

いつまでもバカやって、尻を追っかけていたい! ぬいぐるみの『テッド』は“永遠のエロ中学生”

ted_0002.jpg交際4年目になるジョン(マーク・ウォールバーグ)とロリー(ミラ・クニス)はそろそろ
結婚を考えるが、ぬいぐるみのテッドが障害に。

 ぬいぐるみのテッドは少年時代のジョンをコドクから救ってくれた、大切な存在。友達のいないジョンの一途な想いが生み出した、いわばイマジナリーフレンドの一種だろう。ただし、ぬいぐるみという“よりしろ”があるため、他の人にもその存在が確認できる。通常のイマジナリーフレンドは少年が社会性を身に付けることで消滅していくが、ジョンにとっての“少年性”の象徴であるテッドはいつまでも消えることなくジョンと暮らし続けている。ジョンが30歳を過ぎても大人になり切れていないからだ。もちろん恋人のロリーのことは大好きなんだけれど、結婚して家庭に収まることにはまだ躊躇してしまう。今の職場で骨を埋める気にもなれない。もうちょっと遊んでいたいし、たまにはヤンチャもしてみたい。テッドと別れることは、そういった自分の中の“少年性”を断捨離することであり、なかなか踏ん切りをつけれずにいる。煮え切らない態度が、よりロリーをブチ切れさせてしまう。

 テッドとジョンのバカ丸出しなセリフの応酬に、『フラッシュ・ゴードン』の主演俳優サム・ジョーンズや人気歌手ノラ・ジョーンズたちを本人役で引っぱり出すなどのカメオギャグが全編にわたってぎっしり。子どもの頃に夜店でリンゴ飴を口いっぱいに頬張っていたような至福感が溢れ出ています。やっぱり遠慮なく、いつでもバカやれる男友達ってサイコーなわけですよ。『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』(11)のマーク・ウォールバーグ、『寝取られ男のラブ・バカンス』(08)『ステイ・フレンズ』(11)のミラ・クニスというコメディもOKな2人に、3DCGのぬいぐるみのテッド(声はセス・マクファーレン監督)の絡み具合が絶妙です。人間とぬいぐるみが共存する世界は『ザ・マペッツ』(12)ですでに描かれているけど、『テッド』はひたすらギャグ至上主義で楽しませてくれる。

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