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「酔街エレジー」発売記念 玉袋筋太郎インタビュー

「スナックにはスナックの歌がある」酔街が教えてくれる“やらかさない”生き方

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玉ちゃん 履歴でだいたい足がつくっていうね。だから、履歴に残っている歌に近い雰囲気のものを入れておけば、大きく外すことはないわけよ。いきなりEXILEとか歌い出したら、おっちゃんたちは「おお! なんだなんだ!」ってザワザワしちゃうから。手拍子どこで打っていいか分からなくて。

――やはり、スナックにはスナックの歌がある。

玉ちゃん 昭和歌謡だよね。まるで一本の映画を見ているような、メロディがそれぞれの脳裏に映像となって現れる曲ね。スナックは、それこそいろんな人が来ていろんな歌を歌うから、どんどん知らない世界に出会えるんだけど、そういうことから“鎖国”してる人が多いと思う。心のiTunesの限界を自分で勝手に決めちゃってるっていうか。本当はナンボでも入るのにさ。

――ママたちに「酔街エレジー」は聴いてもらいましたか?

玉ちゃん もちろん。そしたらさ「やだ、玉ちゃん、アタシ泣いちゃったよ」とか言ってくれるの。ママたちは、飲んでばっかりのアホな俺しか知らないからね。

――ママを泣かせるとは!

玉ちゃん ママに歌を褒められたら一人前だな(笑)。ママの歌ってさ、人生が匂いたつんだよね。背負ってるものっていうのかな。ママの人生そのものが見えてくる。ママの人生のPVがさ。

――酔街には、そんなドラマがいくつもあるんでしょうね。

玉ちゃん ぐちゃっと湿ってて、道幅も大人がちょっと譲り合いながらすれ違うくらいの細さで。人生がすれ違うような「酔街」が、今どんどんなくなってるじゃないですか。どこ行っても駅前再開発なんて言ってね。しょうがないよ、時代だからね。この歌を聴いて、「あぁこういう世界もあるんだ」って、一人でも多くの人が気づいてくれたらうれしいですね。
俺自身が「酔街」に育てられたからね。小学生の頃から、新宿のションベン横丁で遊んでるから。昼から酔っぱらってるおじさんを見ては「俺も早くあんなおじさんになりてぇなぁ」ってことばっか考えてた。昼から飲んで、隣の人と肩を組んで、最終的には言い合いになってるんだけどさ。それで翌日にはまた仲良く飲んでる。なんだそりゃ(笑)。憧れたねぇ。そういう幼少期を送って、「玉袋筋太郎」って芸名もらったら、やっぱそういう人間になるでしょう。名前と場所と生き方が「玉袋筋太郎」になったの。でもさ、知っておくといいと思うよ、表だけじゃなくて裏も。面白いからさ。

――「酔街」は“裏”側にあるんですね。

玉ちゃん そう。“裏”にこそ、表に疲れた人間たちの心の拠り所があったはずなんだよ。それが今じゃ、拠り所がパソコンでしょ。それこそ、向こうさんの思うツボじゃない。

――「向こうさん」?

玉ちゃん あれですよ。俺たちのことを密かに支配しようとしているヤツら。インターネットっていう集団催眠でさ。

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