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際立つ参加者の「濃さ」──ターゲット層を絞り込んだアニメコンテンツエキスポの費用対効果は?

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 昨年に引き続き、大いに賑わった「アニメコンテンツエキスポ(ACE)2013」。会場の拡大からも見られるように、2回目を迎え、春の恒例イベントとして定着しつつある。

 常に比較対象にされるイベント「東京国際アニメフェア(TAF)」との違いは、なによりも客層の「濃さ」だ。昨年、震災による中止を経て両イベントが開催される直前に、TAF主催者に取材をした。その際に「濃いオタク層と家族連れが混在している状態は、将来的に改善しなければならないだろうと考えていた」といった趣旨の発言があった。意図せぬ形ではあったものの、アニメ業界の総意としては、2つのイベントに分離したことを歓迎するムードがあった(ただ、震災で中止になった2011年の際には「角川さんやめてよ~と本気で思った」と、あるテレビ関係者に聞いたことも。さすがに同日開催はムチャ)。

 物販を中心にしたイベントと見られているACE。会場内を見渡す限りは、来場者の年代は10代後半から上が主体である。ただ、多くの人々が買い物に狂奔するコミックマーケットの企業ブースに比べると、雰囲気はとても穏やかだ。それは、買い物をするのは楽しいが、しなくとも見物だけで楽しむことができるからである。

 各ブースでは、春からの新作アニメや今年公開予定の作品のPVを流しっぱなしにしているし、会場限定の配布物も持ちきれないほどもらうことができる。また、会場内ではさまざまな作品の「神回」を見ることができる「神回シアター」、ちょっと堅めの業界トークが行われる「アニメのお仕事」。それに、各ブースでの声優などが出演するミニイベントまで、趣味趣向に応じて楽しめる催しが盛りだくさんなのだ。客層が「濃い」こともあってか、TAFのパブリックデー(一般来場の日)と比べると熱気の高さが感じられた。

 また、ビジネス面においてさまざま々な事業者が、出展者と名刺交換をする光景も見られた。「熱気を感じてほしいので、ビジネスデーは設けない」というのがACEのスタンスだが、それがうまく機能していることをうかがわせた。

■イベントの魅力は費用対効果の高さ

 ACEは、イベントとしては、かなりハードルの高いモノといってもよいかも知れない。TAFがファミリー向けを中心に万人受けしそうなコンテンツを扱う出展者が大半なのに対して、明らかにターゲット層が絞られている。

 しかし、出展者の側から見れば「だからこそ、出展する意義がある」といえる。実のところ、どんなに売れている作品であっても宣伝広告費が湯水のように使えるところなど、まずあり得ない。各企業は、かなり費用対効果を厳密に計算し尽くしている。中には「雑誌広告は効果が疑問なので、基本的に出稿しない方針」とする企業もある。雑誌でなければネットかといえば、そうではない。ネットも同じく、費用対効果は確実とはいえない。

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