日刊サイゾー トップ > カルチャー >   > 【赤い海賊】コスモスを徹底解剖
戦後ホビー史の黒歴史? 

“赤い海賊”コスモスとはなんだったのか『愛しのインチキガチャガチャ大全』

518ZljczYQL._SS400_.jpg『愛しのインチキガチャガチャ大全
-コスモスのすべて-』(双葉社)

 ただただ、圧巻。

 山賊みたいな海賊企業・コスモスの全貌を明らかにした問題作『愛しのインチキガチャガチャ大全-コスモスのすべて-』(双葉社)を読み終えた後の感想がコレである。

 コスモスとは、70年代から80年代にかけて全国に真っ赤な自販機を設置し、日本中の子どもたちにパチモンやら何かよく分からない物やら……よーするに、ゴミくずみたいな物をバラまきまくった、日本の戦後ホビー史の暗黒面の象徴のような企業である。

 スーパーカーが流行れば車っぽい塩ビフィギュアを作り、ガンダムが流行ればガンダムっぽいロボットの人形を作り、なめ猫が流行れば近所の猫を撮影して作ったなめ猫っぽいグッズを作り、ビックリマンシールが流行ればロッチシールを作り……って、まあつまりそういう感じのイリーガルなブツをせっせと製造しては全国の自販機にインストール! 子どもたちからなけなしのお小遣いを巻き上げていた海賊であり、山賊のような企業だったのだ。

 本書はそんなコスモスグッズコレクションの第一人者であるタレント・ワッキー貝山氏と、コスモスの魅力に取りつかれたライター・池田浩明氏の、コスモスへの愛憎に満ちた業の深い一冊である。

 チープ感とやっつけ感と、流行り物をテキトーにパクった(ということすらおこがましいが……)ゲスい打算を思い切りシェイクしたようなコスモスグッズが放つ異様なオーラを「狂気」と表現する池田氏のテキストは的確である。そこには一流。いや、二流、三流にすらなれなかったコスモスに魅入られた人間ならではの、一筋縄ではいかないドロリとした感情が渦巻いている。徹頭徹尾ドライに、シニカルに。しかし、愛情たっぷりに、ゴミみたいなブツの数々を解説する氏のテキストに、自然と笑みがこぼれてくる。

 その笑みは、何を意味するのか。ただ「面白い」とか「しょうもない」とか、そういう分かりやすい感情ではないことは確かだ。下らないブツへの嘲笑? いや、断じてそんなものではない。子ども時代への憧憬? いやいや、そんなにいいもんじゃない。ダメすぎて笑うしかない? う~ん、近いけどちょっと違う気がするし、そのどれもが正しいような気がする。言うなれば、まさしく「業」が渦巻いているのである。


12
こんな記事も読まれています

“赤い海賊”コスモスとはなんだったのか『愛しのインチキガチャガチャ大全』のページです。日刊サイゾー芸能最新情報のほか、ジャニーズ/AKB48/アイドル/タレント/お笑い芸人のゴシップや芸能界の裏話・噂をお届けします。その他スポーツニュース、サブカルチャーネタ、連載コラムドラマレビューインタビュー中韓など社会系の話題も充実。芸能人のニュースまとめなら日刊サイゾーへ!

ページ上部へ戻る

絶対的満足度の至宝店

すべて見る

人気連載すべて見る

元木昌彦の『週刊誌スクープ大賞』

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"元木昌彦による週刊誌レビュー

“元アウトローのカリスマ”瓜田純士、かく語りき

“元アウトローのカリスマ”瓜田純士の最新情報をお届け! 嫁・麗子も時々登場。

トンデモ海外ニュース

世界中のびっくり珍事件をお届け。世界はやっぱり広かった!

深読みCINEMAコラム『パンドラ映画館』

最新作・話題作から珠玉の掘り出しモノまで、毎週1本必観の映画作品を徹底レビュー

じゃまおくんのザオリク的マンガ読み

マンガレビューブログ管理人じゃまおくんが、世の中に埋もれる過去の名作マンガを発掘!

イチオシ企画

【日刊サイゾー/月刊サイゾー】編集・ライター募集のお知らせ

現在「日刊サイゾー/月刊サイゾー」 編集部のスタッフを募集しております。
写真
特集

錦戸亮の電撃退所でジャニタレ大量離脱危機!

かねてから退所がウワサされていた錦戸。中居、長瀬がこれに続く!?
写真
人気連載

本場フィンランドの新しいサウナ道

かつてないサウナブームの中、サウナ道こと“サ...…
写真
インタビュー

2019年注目すべきメジャー洋画!!

ただただ、圧巻。 山賊みたいな海賊企業・コスモスの全貌を明らかにした問題作『愛しのインチ...
写真