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『プロレスに復活はあるのか』発売記念インタビュー

「今こそ業界をバッサリ改革すべき」“黒のカリスマ”蝶野正洋が、プロレス界の暗部に斬り込む!

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――蝶野さんの目にも余る悪習だったんですね。

蝶野 みんな、言われればわかるんですけどね。営業の人間が分裂を繰り返していくうちに、根本の原因を忘れて、人同士のケンカになっちゃって。何が最初のケンカのきっかけだったのかっていったら、カネなんですよ。本にもそのことを書いているので、業界の古い人たちからの反響がしっかり来るのではないかなという感じはしてますね。

――ところで、新日本プロレスがブシロードの子会社になってから、集客数が2~3割伸びているそうですけど、蝶野さんはどう感じていますか?

蝶野 先日、久しぶりに新日本の会場に行ったんですけど、オレたちがいた頃に少しずつ近づいている気がしますね。プロモーターと話したんですけど、全盛期の3分の1、最近ようやく2分の1くらいの集客に戻ってきたように感じます。長州(力)さん、藤波(辰爾)さんの時代はテレビのプロレス、オレたちの世代は紙=週刊誌のプロレスで、今はSNSをはじめとするITの時代。その攻め方が世間とうまくマッチングすれば、全盛期の2~3倍の集客も可能だと思います。

――そこまで集客を伸ばすために、今プロレス業界がするべきことはなんでしょうか?

蝶野 今、プロ野球全試合で、半年間で864試合(リーグ戦のみ)ありますよね。今のプロレス団体の規模でやったら、とてもそこまでの試合数はできない。それに、例えばゴールデンウィークなら、どの団体も東京、大阪、名古屋など人が多い都市で試合をやりたがるから、そこで客の奪い合いが起きるんです。日本全国どこへ行ってもゴールデンウィークなんだから、最低でも西と東、その中でもさらに3ブロックに分かれて、それぞれが興行をしなきゃいけないんですけど。それは、業界としてスケジュールを組まなきゃいけないし、そうすると団体数も多くなきゃいけない。そこが全然発展していないので、それができる興行体制、選手体制を作らなきゃいけないんですよ。

――それを難しくしている要因は、どこにあるんでしょうか?

蝶野 「あの団体とは一緒にやりたくない」っていう上層部同士のぶつかり合いもありますし、会場の問題もそうですね。会場となるホールや体育館は1年前に押さえて、2~3月前までキャンセルを受け付けるんですよ。だけど、それが今では大きい会場でもイベントが少なくなってきて「半年前に確定の内金を入れてください」という状態。興行は変更になることも多いから、なおさら業界全体で年間スケジュールが立てづらいんです。でも、今の業界が衰退しているときこそ、お互いが歩み寄って全体の管理ができる時期だとは思っているんですけどね。

――今の若い選手に対して思うところはありますか? 著書の中では「怒りが足りない」とおしゃってましたけど。

蝶野 今の選手もオレらの若い頃もそうでしたけど、キレイな試合を組み立てたい、競技を見せたいっていう意識が強いんですよね。先日、全日本の解説に行って、ドリー&テリー兄弟のザ・ファンクス対淵(正信)さんと西村(修)の試合を見たんですけど、最初はザ・ファンクスの二人とも自分のいいところを見せようとしていて。もういい年なんで、それでいいと思ったんですよね。ところが、淵さんのキックがドリーの口に入って出血した途端に、ドリーの戦い方が変わったんですよ。ドリーはもう72歳なのに、カーっとなっちゃって(笑)。

――ドリーほどの技術と経験を持っている選手でもそうなってしまうのが、プロレスなんですね。

蝶野 もうジジイなのに(笑)。現役選手には勝てないけど、相手に立ち向かっていくあの気持ちはプロだと思いましたね。闘争心に火が付いたところで初めて戦いが始まるのがプロレスなんですよ。

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