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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.251

ティーンエイジ窃盗団のいつかキラキラする日!? ソフィア・コッポラ監督作『ブリングリング』

blingring_02.jpgキラキラ窃盗団の中心メンバーを演じたのはエマ・ワトソン。『ウォールフラワー』のサブカル少女からビッチ女へと堕ちてしまった。

 豪邸内は高価なファッションブランドで埋め尽くされている。ルブタン、シャネル、ヴィトン……。ミニシャトーと呼ばれる犬小屋に、ポールダンスができちゃうミニクラブまである。広々としたクローゼットで着せ替えごっこをし、キャッキャッと記念写真を撮り合って喜ぶ少年少女たち。最初は留守宅に忍び込んで遊んでいるだけだったが、こんなにもブランド品が溢れているのなら、ちょっぴりお土産代わりに失敬しても気づかれないだろう。だって、持ち主はおバカセレブのパリス・ヒルトンなんだから。案の定、パリス・ヒルトンは自分の家から持ち出されたブランド品をまとった彼らにナイトクラブで遭遇したものの、まったく気がつかなかったそうだ。

 調子に乗ったキラキラ窃盗団はパリス宅に何度もお邪魔しただけでなく、同じくLAの高級住宅地にあるミーガン・フォックス、オーランド・ブルーム、リンジー・ローハンらの留守宅への侵入&窃盗も繰り返すようになる。どう? 私たちキラキラ輝いているでしょう!? 盗んだブランド品やジュエリー類で着飾った彼らは防犯用カメラにその姿を残しただけでは飽き足らず、Facebookで「いいね!」欲しさに戦利品の画像を並べ、あっさりと警察にパクられることになる。裁判所送りとなり、さすがに自分たちのバカさ加減を猛省するかと思いきや、群がるカメラマンたちのフラッシュライトを浴びて、いっそうキラキラした笑顔を振りまく始末だ。中心メンバーのニッキー(エマ・ワトソン)は言う、「この国のリーダーになるのが将来の夢。今回の経験はそのためのいい学びの場になったわ!」。

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