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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 閉館寸前「鬼怒川秘宝殿」
【退屈巡礼】vol.28

イッツ・ア・セックスワールド! 閉館寸前の「鬼怒川秘宝殿」で、栃木のエロ郷土史のお勉強

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 そして2Fへ移動。ここからが、いよいよ本番だ。男根、男根、女陰、男根と、目に飛び込んでくるのは卑猥すぎる品々! うーん、男根崇拝は各地に残された民族風習とはいえ、ここまであっけらかんとチン列されるとエロスを通り越し、圧巻というほかない。しかし、よく見ると、それらが卑猥なだけではないことに気づくだろう。キャプションによれば、ここに並んでいるのは鬼怒川、宇都宮、日光など、栃木県内各地にある男根、女陰のレプリカ。看板にも「下野国風俗資料館」と書かれているように、鬼怒川秘宝殿は栃木の郷土を性によって再発見する場所であり、U字工事とならぶ栃木の親善大使なのだ。「ごめんねごめんね~」の断りもなしに、秘宝殿は栃木エロの奥深さを見せつけてゆく!

 だが、そもそも、なぜ、こんな場所に秘宝館が建設されたのだろうか? それには、鬼怒川温泉の歴史が関係していた。ここ、鬼怒川温泉とさらに山奥に行った場所にある川治温泉では、毎年合同で「龍王祭」という祭りを開催。エントランスに展示された、男根神輿と女陰神輿をそれぞれの温泉街から出発させ、中間地点となる龍王峡で合体させる……。神輿は、温泉コンパニオンたちが担いでいたというから、まさに、それは性の祭典であり、ここ龍王峡は2基の神輿がまぐわう“性”地だったのである。

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 そして、男根・女陰が入り乱れる展示室を通り抜けると、いよいよ、鬼怒川秘宝殿のメインが待っている。

 「ここからは、センサーが作動します」

 いったい何が……!?

 「カチッ」

という、センサーの作動音とともに、「ドンドコドンドコ」と激しい太鼓の演奏が鳴り響く。男女の半裸等身大人形が登場だ。その裏には、天狗とおかめの面をつけ、踊り狂う男女がスクリーンに映し出されている。女の胸を揉みしだき、股間に押し付けられる天狗の鼻。さらに、天狗にまたがり激しく腰を振るおかめ。いったい、これは……と思っているうちにエロ舞踊は終了する。あっけに取られながら次の部屋に足を踏み入れると、またしても「カチッ」という音とともに、和尚の後ろで、まぐわう男女や、戦に出征する前夜に妻を抱く武士など、さまざまなエロ人形たちが動き出す。もちろん、こちらもただエロいだけではない。栃木の歴史に微妙に絡んでおり、さながら「栃木のエロ郷土史」といった風情だ。

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