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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 閉館寸前「鬼怒川秘宝殿」
【退屈巡礼】vol.28

イッツ・ア・セックスワールド! 閉館寸前の「鬼怒川秘宝殿」で、栃木のエロ郷土史のお勉強

 昭和56年から営業を行っている鬼怒川秘宝殿。「オープンから10年くらいはすごかった。ほかに娯楽施設らしいものもないので、大勢のお客さんが入ったんです」と男性。しかし、時代は昭和から平成に変わり、秘宝殿ももはや過去の遺産になってしまった。「閉館の理由は、やっぱり人が入らないから。このシーズンは平日でも10人くらいのお客さんが来るけど、冬になると、1日3~4人。0人なんていう日もあるんだよ」と肩を落としていた。しかし、閉館のニュースを知ってか、取材当日は若いカップルや女性2人組などの姿もチラホラ。昭和の雰囲気を懐かしむ若い世代には、まだまだ需要がありそうだが……実に惜しいことである。

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 なお、館内に展示されている人形は、33年前の当時で1体300~400万円。一つひとつ丁寧に石膏で型を取られた人形を制作した当時の写真を見せてもらうと、真剣な表情で男女の型取りをする職人たちの姿が映し出されていた。「中には変なお客さんもいてねえ、人形と一緒に裸で写真を撮ろうとする人や、館内に人目がないからセックスを始めちゃうカップルなんかもいたんだよ」。男性は、遠い目で秘宝殿の思い出を振り返った。

 性におおらかな栃木の歴史を体験できるのは、この夏まで。そのフィニッシュに向け、鬼怒川秘宝殿は静かに高まっている。
(取材・文=萩原雄太[かもめマシーン])

最終更新:2014/06/19 21:00
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