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外道・加納秀人×頭脳警察・PANTA対談「40年蓄積されたホンマモンのことが、やっと出来る」

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頭脳警察・PANTA(左)と外道・加納秀人(右)。

【リアルサウンドより】

 1973年のデビュー以来、解散・再結成を経て今なお活躍するバンド・外道が、1月7日に新アルバム『Rocking The BLUES』をリリースする。同作は外道が40周年記念アルバム『魂の叫び』(2013年)をリリースして以来の作品で、エルトン永田、金子マリ(スモーキー・メディスン、金子マリ&バックスバニー)、PANTA(頭脳警察)、ROLLY(すかんち、THE卍)といった豪華ゲストが参加している。今回リアルサウンドでは、同作にゲスト参加しているPANTAと、外道の加納秀人という、二人の伝説的ミュージシャンによる対談を実施。70年代当時の貴重なエピソードから、現在も衰えを知らない創作意欲と音楽観、さらには後続世代へのメッセージまで、じっくりと語り合った。聞き手は自らもプレイヤーとして最前線で活躍しており、同バンドを良く知るFORWORDのISHIYA氏。(編集部)

「日比谷でやった時に、外道がめちゃくちゃカッコ良かった」(PANTA)

――外道と頭脳警察は、中学校の時、80年代に初めて聞いてどちらにも衝撃を受けました。ただ、外道のファンは暴走族が多くて、頭脳警察のファンは学生運動の連中が多い印象だったので、2人の仲が良いのは意外な気もします。

PANTA:いや、暴れる業界としては一緒なんじゃない? どっちも鉄パイプ持つかな(笑)。

加納:まぁ、どっちも危なかったよ(笑)。その当時はフェスティバルで会ったりしていたね。

PANTA:日比谷でやった時に、外道がめちゃくちゃカッコ良かったの。着物みたいな衣装を着て、マイクスタンドのところにバーッと駆けていって歌っていて、「カッコいいなぁっ!」って思った。それがすごく印象に残っている。

加納:イベントで会ったりすると、そこでファン同士が喧嘩したりもしていたね(笑)。不思議なのはその当時、バンド同士は喧嘩しているわけでも何でもないし、こっちとしてはフォークの人とやってもジャズの人とやってもOKだったのに、まわりがこれはロックで、これはハードロック、こっちはフォークだからと色々決めていくんだよね。でも、やってる方は自分のやることに精一杯で、そんなことはまったく意識もしてないし、自分のやり方をやっていただけ。だけど、観る人や書く人がどんどん線引きしていって、別れていったんだと思うよ。

――当時は外道のファンの前で頭脳警察がやったり、頭脳警察のファンの前で外道がやったりもしていたんですか。

加納:とにかくあの当時は、色んなモノがゴチャゴチャだった。今みたいに一つのジャンルだけ集めてやるようなコンサートとかなかったと思う。色んなジャンルの色んなバンドが出ているフェスティバルのような形態だった。ウッドストック(1969年8月15日から18日午前までアメリカニューヨーク州で行われた伝説的なロックフェスティバル)みたいなもんだよ。

PANTA:当時を象徴するフェスティバルとして、郡山でやったワンステップフェスティバル(1974年8月4.5.8.10日に内田裕也などの主催でオノ・ヨーコも出演した福島県郡山市の総合陸上競技場で開かれたロックフェスティバル)というのがあった。頭脳警察は出なかったんだけど、外道はトラブルがあったんだよね。東京から行った暴走族のファンと地元のグループが対立して。

加納:当時の話をするのもあれなんだけど、たぶん音楽関係で機動隊が出るのは外道ぐらいだったと思う(笑)。色んなところに行くたびに検問があって、機動隊が出てきた。ワンステップフェスティバルに行くときは、そんなにたくさん族がついてきたわけではなかったんだけど、警察も外道が来るっていうんで検問しなきゃってことになって。でも別に凶器を持って行くわけじゃなくて、楽器持って行くだけだから普通に入れたけどね。当時はそんなことが多くて、コンサートに出られなかったこともたくさんあったよ。

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――加納さんは、音楽活動を開始してからもう半世紀近く経っていますね。

加納:俺は外道の前にソロでやったり、Mってバンドやったり、その前もあるので、もう46~7年はやってる。日劇ウエスタンカーニバルとかにミッキー・カーチスさんと出たりしていた。

――ああ、それでミッキー・カーチスさんが外道の最初のプロデュースをやったんですか。

加納:なんか知らないけど、ミッキー・カーチスさんに「今日レコーディングするか」って、急に言われたんだ。俺は当時、世界で一番すごいバンドを作りたいとは思っていたけど、レコーディングとかレコード自体には興味がなくて、レコードデビューとかまったく考えてなかった。「人間なんて30才になったら死ぬぞ」って思っていたからね。世界のロッカーがみんな20代だったし、どうせ短い人生なんだから、好きなことをやっていいバンド作りたいって、それだけだった。ましてや俺達みたいなものにレコード会社が付くなんて考えられない時代。当時はロックなんてやってると家も借りられないぐらいだった。でも、学生運動が起こったおかげで、日の目を見ることができた。世間の矛先が学生運動の方にいったから、大家さんが「あんたバンドやってるの? それじゃそんなに危険じゃないかもね」って家を貸してくれるようになったの(笑)。

――なるほど。頭脳警察の方はどうだったんですか?

PANTA:アパートのことでいうと、当時は学生運動がどんどん地下に潜っていて、爆弾を作っているような連中がいっぱいいた。その後、3億円事件が起こって、警察はローラー作戦っていうのを始めたんだ。もう片っ端から調べていった。あれは実は3億円事件じゃなくて、学生運動を調べるために行ったんだと思う。そういうことがあったので、なかなか住み辛い世の中でした(笑)。

加納:俺たちが音楽を始めた時代っていうのは、今の状況とはまったく違うよね。今、楽器を持って歩いている女の子もいっぱいいるけれど、当時はギターを持って歩いているだけで不良と見なされて、サラリーマンに囲まれたりしたから。「お前、日本男児のクセになんなんだよこれは? 許せない!」って。

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