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第18回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞記念インタビュー

『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』高橋渉監督が明かす、『クレしん』映画が泣けるワケ

339130__free.jpg(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2014

 2月4日(水)~2月15日(日)までの12日間、東京・ 六本木の国立新美術館を中心に開催される「第18回文化庁メディア芸術祭の受賞作品展」。アニメーション部門で優秀賞を受賞したのが、『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』だ。2002年の『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』(原恵一監督)が、同じくメディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞して以来の快挙となった。ある日、突然ロボットになってしまった野原ひろしが、父親の威厳復活をもくろむ謎の組織の野望を打ち砕くため、しんのすけと共に立ち向かう。これまでは家族をサポートする立場だった父のひろしに、初めてスポットが当たった作品だ。

近年の『映画クレヨンしんちゃん』シリーズの中でも、とりわけ大ヒットとなった今作。脚本は、原作者の臼井儀人の元担当編集であった劇団☆新感線の作家で、『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』などアニメ作品の脚本も多数手がける中島かずき。そして監督は、アニメ『クレヨンしんちゃん』シリーズに制作進行や演出として長年関わってきた、高橋渉。映画監督わずか2作目にして大きな名誉を得ることになった、期待のクリエイターである。そんな高橋監督に、作り手としての「クレヨンしんちゃん」の魅力をたっぷりと伺った。「大人も泣ける」と言われることについて、一体どう思っているのだろう?

――メディア芸術祭優秀賞受賞、おめでとうございます。

高橋渉(以下、高橋) ありがとうございます。でも、受賞ラインナップの中で浮いているような気がして、落ち着きません(笑)。

――高橋監督は『クレヨンしんちゃん』テレビシリーズの演出もされていますが、この『ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』で劇場版を初めて監督されました。テレビシリーズとの決定的な違いは、なんでしたか?

高橋 「でっかいことはいいことだ」という言葉があるように、テレビではできない大きなスケールのお話がやれるということですね。と言いつつ、今回は春日部の街の中で完結しちゃってる。映画の舞台としてのスケール感はちょっと小さかったかもしれませんが、物語としては深いものができたと思っています。あとは、1本のお話として完結できる点です。テレビ放送は、もう20年を超えて放送され続けています。でも映画は、それ1本で完結した作品というか、カギカッコでくくることができるんですね。やってみてわかりましたが、スッキリするんです。

――高橋監督はシンエイ動画に入社してすぐに制作進行として『クレヨンしんちゃん』に関わって以来、演出助手、監督と長年この作品に携わっています。今作の主役である野原ひろしを、どういうキャラクターだと思っていましたか?

高橋 みんな馴染み深いキャラクターばかりですが、特にひろしは同性だし、年も近い。なにより、よくぼやくところが自分に似ていて、感情移入がしやすいキャラクターです。テレビだと、しんのすけとみさえの間に挟まれているかわいそうなお父さん、という感じですけどね。

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