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中国“ヤバい”漫画家・孫向文の「チャイナめった斬り」

『STAND BY ME ドラえもん』が大ヒット!  “ダメ人間”のび太が中国人に支持されるワケ

 2008年、ドラえもんは日本の初代アニメ文化大使に選定され、さらに2020年の東京オリンピックにおいては、「招致スペシャルアンバサダー」に就任することが決定しました。ドラえもんは、単なるアニメのキャラクターの枠を超え、日本の顔にもなっているため、それに対して、中国側は警戒感を強めているのです。中国の機関紙の論調としては、以下のような具合でした。

「『ドラえもん』は『(人間同士の)尊重』や『友好』をテーマにしている。しかし、安倍政権は過去の戦争を反省しないで美化し、集団的自衛権をはじめとして右翼的な傾向を強め、中国や韓国との緊張を生み出している。『ドラえもん』が表現している『尊重』や『友好』とはまったく逆の道を歩んでいるのに、日本政府は、平和的な『ドラえもん』を利用している。中国国民はその偽りの日本の姿に惑わされず、真実を見なければならない」

 中には、『ドラえもん』に対する憎しみのあまりか、「青いデブ」と蔑む記事もありました。

 今回の映画の大ヒットにおいて、中国政府がさらに『ドラえもん』に対する危機感を募らせていることは容易にうかがい知れます。今のところ、前出のような批判的な論調の記事は出ていませんが、今後、映画の熱狂が冷めた頃合いを見計らい、また一斉に『ドラえもん』に対するネガティブキャンペーンが繰り広げられるのではないかと不安でなりません。せっかく中国国民が映画に感動したというのに、その感動に冷や水を浴びせるような報道はしないでほしいものだと願ってやみません。

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●そん・こうぶん
中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)がある。
<https://twitter.com/sun_koubun>

最終更新:2016/01/27 13:53
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