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週刊!タレント解体新書 第34回

赤江珠緒は12年間、毎朝何を思っていたのか? テレ朝『モーニングバード』(9月25日放送)を徹底検証!

WS000474wb.jpg『たまむすび』(TBSラジオ)公式サイトより

 9月25日の放送をもってテレビ朝日『モーニングバード』が終了した。4年半続いた番組の終了であり、もちろんそれ自体がトピックのひとつではあるが、より大きな意味合いがここにはある。前番組『スーパーモーニング』がスタートした2003年6月30日から12年以上、朝の顔を務めてきた赤江珠緒の卒業である。9月25日の『モーニングバード』最終回でも、「全力で駆け抜けた12年」として、これまでの彼女の足跡がかなりの時間を割いて紹介された。

 近年、TBSラジオ『たまむすび』で素のキャラクターが人気を集める赤江珠緒。『モーニングバード』の最終回でも、一緒にタッグを組んできた羽鳥慎一が「残念」という言葉を使うほど、共演者にも、またスタッフにも愛されている。確かに「子どもの頃に虫取りへ行き、パンツの中にセミを入れて帰った」というお茶目なエピソードや、それを公共の電波に乗せてしゃべってしまうといううっかり具合など、人間として魅力的なのはわかる。だがそれだけが、彼女の愛される理由ではない。

 それではなぜ、赤江珠緒はこれほどまでに愛されるのか? その答えは『モーニングバード』の最終回で紹介された、彼女のこれまでの足跡に詰まっている。

<あまりにも素直すぎる感情表現>

 とにかく、感情表現が豊かだ。豊かというか、驚くほどに素直である。大人なのだし、しかも情報番組のキャスターなのだから、普通であれば表情を装うものだろう。だが赤江珠緒は決してそうしない。自分の感じた思いを、そのままの形であっけらかんと表に出してしまうのだった。

 例えば、レスリングの吉田沙保里選手にインタビューをした際。父親に肩車をしたあの名場面を再現してもらおうということで、赤江珠緒は吉田沙保里に肩車をしてもらう。それはまあ、わかる。だが、肩車をしてもらった瞬間、彼女の口から出た一言が実に赤江珠緒らしい。

「わー、うれしい! やったー!」

 そう言って赤江珠緒は、両手を挙げてガッツポーズをするのだ。いやいや、何もやっていない。だが、おそらく赤江珠緒の頭の中には自分を見つめる大観衆が見えていたのだろうし、歓声も聞こえていたのだろう。まるっきり子どもだ。しかしこの素直すぎる感情表現が、彼女が多くの人から愛される大きな理由のひとつであることは間違いない。

<対象への真摯な向き合い方>

 キャスターである赤江珠緒は、多くの取材対象と出会うことになる。それら一つ一つの対象への向き合い方が、とにかく真摯だ。東日本大震災が起こった直後に陸前高田市で出会った方と今でも交流があり、節目ごとに訪れているというエピソードは、まさに彼女ならではだろう。真摯であり、そこには一切のウソがない。言葉や行動のすべてにおいて、しっかりと地に足がついているのだ。

 あるいは、「別に……」発言でバッシングを受けた沢尻エリカへのインタビューもそうだ。騒動後、沢尻エリカにとっては初めてのインタビュー。少しでも欲があれば、そのバッシングの流れに乗るか、あるいは過度にフォローするなどして、良いコメントを求めるというのが人の業だ。しかし、赤江珠緒はそうしない。真摯に沢尻エリカと向き合い、彼女の言葉をただ素直に聞き、そして瞳に涙をためてこう言うのだった。

「いろんなことを言われるだろうし、本当に複雑な立場だと思うけど……。つらさっていうのは、その人にしかわからないと思うんですけど……。頑張ってくださいね」

 取材時期を考えれば、沢尻エリカに対してこんなに寄り添った言葉をかけられる人間はそうはいないはずだ。おいしくしようとすれば、いくらだっておいしくできる状況なのだから。だが、赤江珠緒にはそういった欲そのものがない、というかそういった欲よりも、目の前にいる対象への真摯さが優先される。だからこそ、彼女の言葉はまっすぐに、視聴者の胸へと届くのだろう。

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