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じゃまおくんのザオリク的マンガ読み

元祖“出会い系”のいかがわしき世界……伝説のスケベマンガ『テレクラの秘密』

terekura1021.jpg『テレクラの秘密』(成田アキラ/スケール)

 みなさんは「テレクラ」って、知ってますか? いまやすっかり死語同然になってしまいましたが、1980年代から1990年代にかけて、テレフォンクラブ略して「テレクラ」というお店が繁華街にはたくさんありました。今聞いても、いかがわしくあやしい、なんともいえない響きがたまりません。

「テレクラ」は、いわゆる風俗の一業態。インターネットが普及するまで興隆していた出会い系システムです。基本的には狭い個室に電話とかティッシュが置いてあるだけで、男性がその個室でひたすら女性からかかってくる電話を待つというもの。電話で男女の会話が盛り上がり、交渉が成立すれば、電話を介したチョメチョメ(死語)やら、店外でのニャンニャン(これも死語)などに発展する可能性もあります。

 そんな「テレクラ」の世界にどっぷりとハマり、人生をテレクラに捧げ、テレクラマンガという一大ジャンルを築き上げた伝説の漫画家がいます。その名も成田アキラ先生。そして、その成田先生が内外タイムスで連載していた日本初のテレクラマンガが、今回ご紹介する『テレクラの秘密』です。

 成田先生こそ、まさしく「スケベマンガの帝王」と呼ぶにふさわしい存在です。この場合、エロマンガでもエッチマンガでもなく、「スケベマンガ」であるというところがポイント。なにしろ成田作品は、漂いまくるオヤジ臭に加え、淡々としたタッチがやけにリアルなギャグテイストになっているのです。やはりこれは、紛れもなく「スケベ」なのであります。

『テレクラの秘密』は、基本的に成田先生自身がテレクラに入店し、電話越しでひたすら女性客と会話。外で会う約束を取りつけられたら、待ち合わせからホテルに連れ込んでエッチするまでの一連のオトコとオンナの駆け引きや、その顛末を体験マンガにしています。

 仕事でスケベできるなんて、うらやましい! と思うかもしれません。もちろん若くてかわいいOLや、美人な人妻が来れば超ラッキーですが、当然ながら、そんなにうまい話ばかりではありません。超デブスなオバサンや、性欲ありまくりのお婆ちゃん、手を出したら一発アウトの未成年や性病持ち、ヤクザの情婦に至るまで、あらゆるトラップだらけの中、テレクラで出会ったオンナはどんなにブサイクでもとりあえず口説いてラブホに連れ込もうとする成田先生のテレクラにかけるプロ根性は、ある種の悟りの境地に達しているといえます。

「ボクはこの数十年、かけっこで全力疾走をしたことがない。しかし、いい女とセックスする時は全力を尽くしてする。息切れし、心臓が破裂しそうになってもする。やっている時、これで死んでもいいような気になる。全くボクはどうしようもないスケベだ」

「愛のあるセックスでは決してない。原始的で粗暴で、けもののようなセックス、格闘技セックスなのだ」

「ボクにはヘンなクセがあって、女性が歓んでくれればくたばるまでやってやろーじゃないかという気持ちになる。こうなると、もう耐久レースの観を呈してくる。すでに肉体的快感はなく、頭はモウロウとして、ただ惰性的、自虐的持続があるのみ」

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