DMM、18歳未満が出演するイメージビデオ取扱い停止を発表──1本のイメージビデオを見ながら思うこと
私の手元に一本のイメージビデオがある。
タイトルは『Petit 蒼井優』(日本メディアサプライ)。言うまでもなく、女優・蒼井優の出演している作品である。発売は2001年。彼女が15歳のときに撮影されたものだ。
念のために言っておくが、「イメージビデオ」とはいっても、セクシーなシーンや衣装、もちろん水着姿などは一切ない。
制服や浴衣、メイド服など、当時の彼女の等身大の魅力を引き出すような衣装と、インタビュー風の彼女のひとり語りによって作られた約30分の作品だ。
当時からすでに完成された美少女であったが、今改めて見てみると、表情の作り方やどこか落ち着いた雰囲気など、将来日本を代表する女優になる片鱗のようなものを感じる。彼女の原点ともいえるような魅力を感じることができる名作だと思う。
9月7日、大手ビデオ・動画販売・配信サイトのDMMが、18歳未満のアイドルやタレントが出演するイメージビデオの取り扱いを停止するとの方針を発表した。
すでにAmazonではアイドルのイメージビデオに厳しい規制をかけていたが、比較的取り扱いに寛容であったDMMがこのような決定をしたことによって、同じような動きが業界全体に広がるのではないかと思われる。
決定に至った大きな要因は、ある国際人権NGOによって、子どもの人権侵害につながる作品、いわゆる「児童ポルノ」の販売に関する報告書が出されたことによるもの、とのことだ。しかし、個人的にはどうしても違和感が拭い去れない。
DMMの発表によれば、18歳未満の出演した作品は「たとえ性的な描写がない場合でも」取り扱わない、とある。
私がこれまで見てきた中でも、性的な描写がなく、出演者の魅力や愛らしさを存分に引き出した、良識あるイメージビデオはたくさんあった。
どこからどこまでが健全で、どこを越えると性的な描写になるのか。線引きは非常に曖昧だし、成人向けコンテンツを取り扱うDMMだからこそ、よりグレーゾーンを残したくないということなのだろうが、個々の作品を判断することなく全てを切り捨てなくてはいけないものなのだろうか。
私が懸念する点は3つある。
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