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バニラエア比国便で「パイロット行方不明」騒ぎ!? 実際には“体調不良”も「激安旅行」の深すぎる落とし穴

 バニラエアは、2011年にANA(全日本空輸)とマレーシアのエアアジアの共同出資で設立された会社を、ANAが株式を買い取って再スタートしたLCC。国内は北海道や沖縄、海外は台湾、香港、ベトナム、フィリピンなどに就航しており、格安で知られている。

 ただ、今回のトラブルについて会社側に電話で原因などを聞こうとしたところ、当初の返答は「担当がいません」という驚くべきものだった。あとになって留守番電話に連絡があったため、かけ直すと、有料のナビダイヤルだった。そこでやっと「乗員繰り」はパイロットの体調不良による欠員だとわかったが、広報担当者に「代わりの操縦士は準備していないのですか?」と聞くと「弊社では病欠のパイロット交代のシステムはありません。欠航された方は1カ月以内に振替えができますので」とのことだった。そう言われても、海外旅行の予定を1カ月以内に組み直せる人ばかりではないだろう。

 そこで同じ質問をJAL(日本航空)にしてみたところ、こちらはスムーズに広報が回答。

「国際線の場合、フライトの約1時30分前である出頭時間に操縦士と副操縦士の所在や体調などを確認し、もしそれで乗務できないとなったら、常にスタンバイしている別の者が担当します」

 ANA(全日本空輸)も「状況にもよりますが、基本的に別の操縦士を探して運航する体制をとっています」とのことだった。

 バニラエアは一部報道で、詰めすぎるフライトスケジュールで現場が疲弊しているといった話もあった。もしパイロットがそういった過酷勤務で体調を崩したとしても、被害を受けるのは乗客のほうなのである。

 旅行会社てるみくらぶの大型倒産では、被害者が最大9万人に及ぶ見込みとなっているが、こちらも格安な販売による価格競争の末に自転車操業に陥っていたもので、識者からは「安すぎる旅行会社には気をつけましょう」という声もある。

 安さが魅力のLCCでも、遅延で乗継便に間に合わないことが珍しくなく、なんらかのトラブルに遭う可能性が一般の航空会社に比べ高いことは覚悟しなければならない。天候不良などは別にして“人災”的な原因で旅行計画が台無しになるリスクを避けたいのであれば、LCCの利用は避けたほうがいいかもしれない。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

最終更新:2017/04/15 18:00
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