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“ヤクザ雑誌はダメ”のご時世で、なぜ……「月刊実話ドキュメント」スピード復刊の裏事情

 今年3月に休刊したヤクザ雑誌「月刊実話ドキュメント」が10月号から復刊した。休刊は珍しくないご時世だが、約半年でスピード復刊したのは異例の話。今回の復刊は、休刊前に発行元だったジェイズ・恵文社が新たな発売元となり、編集部の態勢はそのままで再スタートとなったようだ。

 同誌が休刊となった理由にはいろいろな臆測が飛び、警察による圧力説なども浮上していた。しかし、事情を知る出版関係者は「編集者は周囲への影響を考えてハッキリ理由を言っていませんが、警察からの圧力だったら復刊はできません。ただ、ヤクザへの風当たりの強さが影響したことはあった様子」だという。

「4年前、出版社が竹書房からマイウェイ出版に変わったときも、その理由は竹書房が銀行から融資を受ける際、『ヤクザ雑誌はやらない』という条件が出されたという話でした。今回も別の出版社との交渉もあったようですが、やはり交渉先から『ヤクザ雑誌はダメ』で白紙になったりもしたそうです」(同)

「実話ドキュメント」は、かつて竹書房やマイウェイ出版から発行されていた創刊34年のヤクザ雑誌で、暴力団や右翼団体の動向を専門的な視点で追うのがメイン。創刊時の1984年は、山口組と一和会による暴力団抗争「山一抗争」があって大ヒットを飛ばした。二代目の編集長はいまや芸能レポーターとして活躍する井上公造氏。竹書房が同誌を手放したのは、「銀行の融資が必要なくらい、出版社の経営が厳しかったということでは」と関係者。

「当時の竹書房には『ドキュメント』のほか、もう一誌『実話時報』という社内制作のヤクザ誌もありましたが、そちらはアダルト系雑誌にリニューアルさせられていましたからね」(同)

 ヤクザ雑誌はあくまでヤクザの動きを伝えるもので、ヤクザと交遊があるメディアではないのだが、休刊は暴力団追放のご時世の悪影響を受けたということなのだろうか。

「ただ、復刊できたことに関しては、取次の力添えもあったと思います」と関係者。

 出版社、書店がバタバタと倒産している出版界では、新規参入することはかなり難しく、よほどしっかりした経済的背景があるか、確実に売れるというプランを示さない限り、本を流通させる卸売業者、いわゆる「取次」が首を縦に振らないという。

「そんな中で復刊できたということは、取次が『実話ドキュメント』をそれだけ評価したということでしょうね。実際、復刊部数は休刊前のものを維持しているともいわれていますし。今、雑誌の売り上げは書店よりコンビニの方が大きいですが、本だけを売る専門店である書店と、売れるものだけ置くコンビニとでは、本に対する扱い方が根本的に違います。コンビニは本が売れなければ、その売り場に弁当やジュースを置いた方が良い、とすら考えるもの。そうなれば取次には大打撃なので、コンビニで少しでも売れそうな商品は残そうとしてくれます。『実話ドキュメント』は書店よりもコンビニでの売り上げが大きい雑誌と聞きますから、そこが復刊の決め手になったのでは」(同)

 ヤクザ雑誌は暴力団と警察、ともに取材しにくい対象を相手にしながら、出版社や銀行にまで冷たくされる風当たりの厳しい雑誌だが、それでも復刊に漕ぎ着けられたということは、世間のヤクザへの関心はまだ需要があるということでもある。

「でも、それも編集部が細々やっているから続けられているだけで、大儲けできているわけではないでしょう」と前出関係者。

「この業界、昔は実売率が7割を切ったら社長に怒鳴られてました。それが今では、4割売れただけでも御の字。本は委託販売のみですから、出荷した商品の半分以上が平気で返ってきちゃう。それでもなんとか利益を出すには、自分たちの給与や取材経費などを抑えながらやっていくしかないでしょう。お金以外のモチベーションがないとやれないですよね」

 この復刊の直後、任侠山口組の織田絆誠代表が銃撃されるという事件が発生した。その犯人として、神戸山口組の直系組員が指名手配され、神戸山口組本部が兵庫県警によって家宅捜査されている。こうした動きがあるとヤクザ雑誌の取材力に期待する向きもある。

 復刊した同誌の中身はほぼ休刊前そのままで、新たに片岡亮氏による格闘技連載、三垣篤稔氏による競馬連載などが加わった。公式ブログやツイッターなどもないアナログな「実話ドキュメント」、その古きスタイルには昭和ヤクザに共通するような香りも漂う。
(文=高山登/NEWSIDER)

最終更新:2017/09/29 20:00
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