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8.6%スタートの月9『海月姫』演出と原作改変の問題で、役者の頑張りが報われない!?

 見事、ややこしい三角関係が出来上がり、しかも蔵之介や修の父・鯉淵慶一郎(北大路欣也)がからむ市街地再開発で天水館がなくなるかも? と、舞台が整ったところで第1回は終了。

 月海は、亡くなった母親との思い出をクラゲに抱いてる様子。

「女の子は大きくなったら、みんなキレイか(鹿児島弁)お姫様になれるんだよ」(母親)

「お母さん、ごめんなさい、私はお姫様にはなれませんでした」(月海)

 水族館で、そんなやり取りを思い出して涙する月海を思わず修は抱きしめ、それを見た蔵之介は自分の恋心に気づき出す。

 その蔵之介も、母親の居場所がわからず、修との間に何かあるようだ。

「昔、ある人が言ってた。女にとって『服』は外で戦うための『鎧』、メイクは自分を変身させるための魔法」と、女装につながるような発言もしていた。

 天水館でオタ住民(尼~ず)とからむパートは基本コメディパートで、蔵之介や修と絡むときは基本恋愛パートといった感じの演出。原作含む過去作ではもう少しくんずほぐれつな感もあったのだが、ゴールデンということもあるのか、恋愛パートの時、急に「月9化」する感じが少しちぐはぐな印象を持った。

 

■オタクを演じる難しさ

 オタクという、実は難しいキャラクターだけに、気になる点がいくつかあった。

 まず気になったのは、芳根演じる月海がそもそも「かわいい」点だ。いや、かわいいに越したことはないし、オタクだからかわいくないと言うつもりはない。

 しかし、この主人公はいわゆる「リア充」を恐れ、距離をとり、同じ属性に近い「仲間」と群れている前提がキモのはず。

 確かに芳根は、失礼な言い方だが、女優の中ではやや地味だし、それでいて凛とした部分があり、いわば主人公に近いものを感じる。しかし、他の住民(尼~ず)らが、爆発アフロの鉄道オタクだったり(ばんば・松井玲奈)、情緒不安定な時ほど暴走する三国志オタクだったり(まやや・内田理央)で、しかも両者とも表情が髪でまったく見えない原作を生かした漫画まるだしのキャラでいろいろ封印しているのに対し、芳根演じる月海は、ちょっと地味な程度でかわいさが隠せていない。

 三つ編などをしてるものの、例えば映画版の能年玲奈演じる月海の、毛量多すぎてなおかつケバ立ち、太いしめ縄のようになってる三つ編と比べると、全然「アリ」なのだ。

 それゆえ、途中で蔵之介にメイクをほどこされ「美女」に変身するシーンでも、フリが効いていないため、「魔法にかけられた」感が弱くなってしまっている。

 そして月海がクラゲを語るシーンでも、オタク特有ということで愛あるものに対し早口で我を忘れるように語るのだが(原作でもそうだ)、それがツラツラととめどなく零れ落ちるように語るのではなく、早口言葉のタイムトライアルに挑戦するかのごとく、リキみすぎて吐き出す口調に違和感を覚えた。好きだからつい語ってしまっているという風に見えなかったのだ。

 これらは演技の問題というよりも演出の問題だと思うので、逆風の中、主演を張る芳根のためにも、なんとかしていただきたい。

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